たぺログ

Emily likes tennisという日本のバンドのドラマーが描く人間賛歌的なブログ

星の王子さまのキツネについて

たまに星の王子さまを読み返している。

 

星の王子さまを読んだことがあるだろうか?

星の王子さまにはキツネが出てくる。かわいいキツネ。名前はない。

こいつ。

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最初の翻訳の一人称は「おいら」。

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異常に耳と鼻のとんがったこいつは王子さまと友達になりたそうにこっちを見てくる。しかし今まで小さい星で一人ぼっちで生きてきて、メンヘラの薔薇としか仲良くなったことがないひきこもりの王子さまは「友達の作り方がわからない」とオタクみたいなことを言い始める。

 

かわいいキツネは「飼い慣らせ」と少し物騒なことを言い始める。(新訳だと「なつかせる」になっている)

しかしキツネは別に厨二病ではない。

 

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スピッツは愛はコンビニでも買えると言っていたが友情は買えないらしい。

現代風に言えば「急に距離感詰めてこないでね」という旨のことを言うキツネ。

なんだか人生経験豊富そう。

 

 

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習慣。

 

コロナになってからいくつかの習慣が失われてしまったと感じる。行ける場所や時間に制限ができて、いつもやっていたことができなくなると、いつもそこにいた人たち、あったものとのつながりも消えてしまったように感じる。

映画館では決まった時間に映画をやる。そこにはサブスクでは得られない、観に行った一日の記憶、映画と映画館への愛着が残る。

ライブも、日程は違っていても、いつものあの場所で、いつものようにお金を払い、たまに見るバンドを観る。そして行き帰りのついでに買い物をしたりご飯を食べる。ライブハウスへ行くということの良さはライブを観る以外の部分にもある。

 

僕は最近は習い事を始めたり、ジムに行ったり、映画館がまた開かれてからは新しい映画をなるべく映画館で観るようにしたり、新しい習慣を作ろうと努力し、少しずつ成功し始めている。

 

でも、2年くらいかな?有観客のライブはやっていない。僕はそんなに話す方ではなかったけど、一言二言交わす人たちとの短い時間があるかないかは大きな違いだと思う。ブログや曲の感想を、ネットでは聞けなくても直接伝えてくれる人たちがいた。コロナの前は毎月以上やっていたかつての習慣を今から取り戻せるのだろうか?バンドをやってる人たちも、お客さんも。それでも周りのバンドはどんどん復活している。僕らもまたやる予定だ。

 

宣伝です。

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ここから予約してください。

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だって来てほしいし。

 

キツネは最後に、星の王子さまで一番有名なあの名台詞「本当に大切なものは目には見えない」という秘密を王子さまに伝える。しかし、それに続けてあまり有名でない「君がバラを大切に思うのは、それに時間を費やしたからだ」ということも伝える。

「一度大切になったものには、永遠に責任を持つ」とも。

 

 

星の王子さま著作権が切れたとかで無料で読めてそんなに長くないので暇な時に読んでみてもらいたい。

https://www.kenkyusha.co.jp/uploads/suppl/id32745278/The_Little_Prince.pdf

 

でも、できたら本で読んでほしい。なぜなら挿絵がかわいいからだ。

そして旧訳で読んでほしい。なぜならキツネの一人称が「おいら」だからだ。

 

ちなみに、ラピュタの「君をのせて」の歌詞の冒頭部分は星の王子さまの文章からきている、と何かで読んだことがある。ハヤオ先生も好きだったんだね。

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結構後半にあるのだが、よければ探してみてください。

 

 

 

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こういうキノの旅みたいな話が好きな人にもおすすめ。