たぺログ

Emily likes tennisという日本のバンドのドラマーが描く人間賛歌的なブログ

世界の中心でカラムーチョと叫んだけもの

カラムーチョは世界で一番美味い食べ物である。

 

正確さを期すならばカラムーチョスティックは世界で一番美味い食べ物である。

では二位は何か?当然ながらカラムーチョチップスである。

 

食べログ百名店よりも

ミシュラン5つ星よりも

子供の頃にふるさとで食べたあの鮎よりも

減量でガリガリに痩せ細ったボクサーが食べる半分のりんごよりも

 

カラムーチョのほうが美味い。

俺はそう言っている。

 

俺は先日、奥多摩へキャンプに行った。

親に誘われたためである。

そこで親におやつ係に任命された俺はカラムーチョを買った。

 

https://twitter.com/elt_ogipei/status/1653642976986550274?s=46&t=YTZiBtAOTBLTIRjMZ63rsw

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そしてBBQでお腹いっぱいになりカラムーチョを食べずに持ち帰った。

今、俺の目の前にはカラムーチョがある。

しかし俺はダイエット中である。そういうことだ。

 

カラムーチョほどコストパフォーマンスに優れた食べ物はない。

あまり知られていないがカラムーチョには本来1袋1万円の価値がある。

なぜならもし医者が俺に「あなたはカラムーチョを食べられない体になった。しかしこの薬を飲めばあなたはカラムーチョを100袋食べられる。しかしこの薬は国内では認可されていないため100万円する」と言われたら俺は迷わず買うからだ。

もしカラムーチョ工場が反カラムーチョテロリスト組織によって爆破され、半永久的にカラムーチョが製造されなくなったら、俺はありったけの在庫を買うだろう。

 

それだけの価値あるものを一度開封してしまえば最後まで食べてしまうことは当然に開ける前から決まっている。

だから俺は悩んでいる。

 

さて今回、意図的に俺は客観性を欠いてこのブログを書くことにした。

言うまでもなく、世界一美味い食べ物は人によって異なるため本来は定義できるものではない。

客観性を排することのできる人間だけがそれを語れるのである。

しかし真の意味での客観性などあるのだろうか?そんなもの幻想ではないか?

俺たちは俺たちが想像しうる範囲の世界でしか物事を考えられない。

仮にカラムーチョをそこまで好きではない人間がいたとして(想像を絶する生物ではあるが)その気持ちを想像するには我々カラムーチョが大好きな人間がそこまで好きではない別の食べ物(例えばすっぱムーチョ)を想像し、彼らにとってのカラムーチョとはそのような味なのだということを苦虫を噛み潰すような顔をしながら考えることはできる。

しかし、それだけである。

どこまでいっても俺たちにはカラムーチョが好きではないという彼らの本来の気持ちは理解できないし、また彼らには俺たちが、特に俺が、どれだけカラムーチョを愛し、どれだけカラムーチョに支配され、時に救われ、時に苦しめられてきたか、理解することなど到底できないだろう。誰にもできやしない。

「君の気持ちはわかるよ」と言われても

「いやお前に俺の気持ちなどわからない

俺のカラムーチョへの想いなど、わかるはずがない」

そう言いたくなるだろう。

小学生の頃から、ずっと俺は魅了されてきた。カラムーチョに。たぶん死ぬまで。

 

だから真の意味で客観性などない。

俺が大人ぶった顔で「まあ好みって人によるよね」と言いながらもカラムーチョをそこまで好きではないという人間を心の底では見下しているように、人と人とは永遠に理解し合うことは出来ない。人が人である限り、永遠に人は主観でしか生きられない。他者を信じることなどできるはずもない。

 

じゃあどうやって生きればいい?

信じるものを失った世界で。

嘘と裏切りと憎しみと蹴落とし合いのこの世界で。

僕は何に縋って生きればいい?

繰り返し繰り返し無意味なコミュニケーションを続け、どこにも辿り着けず、交わらず、終わることのない虚無の世界で。

 

 

俺はカラムーチョの袋を開けた。

俺はカラムーチョの脂質が高いことを知っている。塩分が高いことも。

明日必ず浮腫むことも。知っている。

知っていて俺はカラムーチョを頬張る。咀嚼する。

そして実感する。

今この瞬間、信じられるのはカラムーチョの美味しさだけだということを。

生きる為にはそれだけで

充分だということを。

 

 

ライブがあります。

予約はこちらから。

http://emilylikestennis.jp/live.html

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観に来てくれ。曲も増えたし。