たぺログ

Emily likes tennisという日本のバンドのドラマーが描く人間賛歌的なブログ

チーズバーガー140円

普段何を考えているか全部書いたらどうなるかと思って書いてみたら信じられないくらいにしょうもなくなったブログが下記に記されています。

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先日、前の会社の友人数人と会った時に「昼飯、マックでいい?」と聞かれ、「せっかく電車乗ってきてるしなんか違うもん探そう」と答えたら「え〜なんで?マック美味いじゃん」と言われて縁切りたくなるくらいムカついた。俺はマクドナルドは普通に好きだが、マクドナルドはどこにでもあるのでわざわざ久しぶりに会う人からそれを食べることを提案されるのはよほどマクドナルドが好きなやつであろうと思われるのだが、そいつの言うニュアンスはそういう「マック美味いじゃん」ではなかった。「(俺は食事なんてものにそこまで重きを置いていないから)マクドナルド(みたいなありふれたものを)美味いじゃん(と言ってしまえるのだ)」という自分のスタイルを誇示するための表現に聞こえた。俺の考え過ぎだったのかもしれない。だから俺はその場では特にことを荒立てたりはしなかった。実際そんなことでキレていたら社会ではやっていけない。しかし俺はその時にマクドナルドを選ばなかったこともあるいは仮に選んだとしてもある意味ではマクドナルドさんに失礼だったのではないかという気持ちになり今日改めてマクドナルドへチーズバーガーを食べに行った。本当はチーズバーガーが食べたかったというのもある。マクドナルドは美味いからだ。

マクドナルドさんのことを関東ではマック、関西ではマクドと呼ぶが、俺は関西に生まれ大学から関東で暮らし、どちらにも帰属意識がない割にどちらの感性も理解できるので、マックという呼び方を少し気取っていて気味が悪く思えるし、マクドという呼び方をなんだか滑稽に思える。だから俺はマクドナルドのことをマクドナルドとそのまま以外の呼び方で呼べなくなってしまった。一番面倒臭い滑稽で気味の悪いやつになってしまったのだ。だからできるだけ呼ばないようにしている。ちなみに高校までは体に悪いから親にあまり食べさせてもらっていなかったので特に「ついマクドと言ってしまって困る」みたいなこともない。そういうアイデンティティーのない自分を俯瞰できてカッコいいと思っていた時期もあるが今は何も感じるところはない。

マクドナルドのハンバーガーとチーズバーガーはメニュー表ではほとんど初見では見つけることが出来ない。なぜなら最安の彼らには他の商品ではほとんど当たり前に表示されている写真の枠が割り当てられていないからだ。「チーズバーガー140円」という文字列だけがひっそりなんだか余り物が集められた変な枠の中に押し込められているのである。ラーメン屋などでよく券売機の一番左上の目立つところには「味玉ラーメン」があり、その横に「特製ラーメン(または屋号を冠したラーメン)」、などが並んでおり、下の方の3行目くらいにようやく何も乗っていない「ラーメン」があったりする、あれを思い出す。あれより酷い。俺は金のない大学生の時、よくあれを頑張って探して一番安い何も乗っていないラーメンばかり食っていたものだった。社会人になってからはお店を応援するという気持ちを込めていつも味玉か特製など一番目立つボタンを押している。だから今チーズバーガーを選ぶのは金が無いからではない。ただダブルチーズバーガーを別に食いたくないからだ。もしビーフパティが倍の厚みになるなら考えるが、ただ2枚重ねてあるというのは何も味が変わらずただ食う量が増えるだけだ。「ただ食う量が増えるだけだ」とはかなりブルジョアジーな考え方で何も乗っていないラーメンが大盛り無料なら喜んでお願いしご飯おかわり自由なら泣きながら米を盛っていた昔のガリガリの自分なら発狂しそうなものだが金は人の精神を大きく変えるものだ。それにしてもチーズバーガーが端っこの見づらいエリアにあるとなんだか「この商品は利益率が低いので店のためを思うなら買わないでください」と言われているような気持ちになる。いや、実際にそうなのだろうけど、その値段を決めたのは日本マクドナルドとかの偉い人なわけで、俺は正当にそのメニューの中から選んで良いものとして商品を選んでいるのだから何も責められるような謂れはないはずだ。文句があるなら値上げをすればいい。こういう罪悪感を客に背負わせ葛藤させるのがマクドナルドのカスタマーサティスファクション精神の本意なのだろうか?そんなことを思いながらチーズバーガーとアイスコーヒーを注文する。あんなにマクドナルドの肩を持って入店した人間が今ではあら捜しばかりしている。

1分もしないうちにチーズバーガーが出てくる。さっきレジの奥で包装されたチーズバーガーが金属の机の上をすごいスピードで滑ってくるのが見えた。あれもマクドナルド大学とかで学ぶ高度な時短技術なのだろう。マクドナルド大学というのは冗談ではなくて、昔マクドナルドでバイトしていた高校時代の友達も経験を積んでからそこの研修に行ったと聞いた。帰ってきたら時給が30円上がったそうだ。大卒程度で30円しか上がらないのなら、1000円上げるためにはマクドナルド教授かマクドナルド大学長にならないといけないのだろう。そう言ったら怒られた記憶がある。

席に座ってチーズバーガーを食う。これが140円は安いな、とただのわかりきった事実を思う。俺だったら「140円やるから今座っているソファを立って電子レンジでチーズバーガーをチンしてくれ」と言われてもそれすら面倒臭いと言って断るだろう。マクドナルドは140円でソファとチーズバーガーを提供してくれる。mcd-Wifiもある。どうやって儲けているのだろうか?それはやっぱりチーズバーガー以外のものを注文する人からたくさん取っているのである。だからこの店内の他の客(老夫婦、主婦、おじさん、不良、中学生、高校生)は全員が俺を養ってくれているあしながおじさんみたいなものなのだなあと思う。みんなに向かって心の中で手を合わせる。

あとから隣の席に向かい合わせに親子連れが座った。平日夕方の4時半だが意外と店内は混んでいる。隣の母親が「食べすぎてお腹痛いはやめてね」と釘を指していた。子供は無視している。俺には無理だな、と思った。俺は食べすぎてお腹が痛くなることは未だにあるし、自分のお腹のことも、未来のこともわからない。だから悪いが俺はお腹痛くなるよ。しかし親もきっと同じなんだろうな。お腹が痛くならないように食うことは自分でも難しいとわかっているがそれでも親は子供の手本にならなければいけない。子供が生まれてから独り立ちするまで親は虚勢を張り続けるのかもしれない。それは子供への期待とかではなくてもっと基本的な、しつけというやつだ。そうやって親は高い目標を掲げて、いつか子供が自分を超えてくれるかもしれないその日を待っているのだ。彼は高校くらいまでは部活とかで真面目に頑張るかもしれない。そして大学に入ったらスポーツのために鍛えたはずの筋肉とかが女にモテるために使えることに気づき親のしつけも虚しくサークルで遊ぶ呆けるかもしれない。お腹が痛くなるまで酒を飲むのかもしれない。しかし就職が近づけば親のしつけが根付いているお陰でなんとか器用に真面目な姿勢を面接では見せ、それなりに会社に適応して真面目に働き、そしてそのうち結婚し、子供が出来たらマクドナルドに連れていき子供に向かって「お腹が痛くなるまで食べ過ぎるな」と注意するのかもしれない。または、今横にいる母親も親にそう言われたのかもしれない。俺は経済的にはもう独り立ちしたのでお腹が痛くなるくらいアイスコーヒーを飲んだが、取り敢えずその子供の前では毅然とした顔で席を立ち、家に帰った。

 

 

 

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でれんの!?笑(えみ)ROCK FESTIVAL2020 in EDOソニックマニア

YouTubeで配信ライブをします。下記のURLをリマインダー登録するか、Emily likes tennisのチャンネルを登録してもらってれば、当日忘れていても通知が出ます。(スマホYouTubeびアプリが入ってないと出ないかも)

閲覧は完全無料です。カバーなどをやる関係で投げ銭もたぶんやりません。ですが、グッズを作るつもりなので買ってくださると費用負担が軽減されて大変ありがたいです。まだ出来ていないですがiPhoneケースを作製中です。また宣伝します。

配信は2時間たぶん超えちゃうくらい長丁場なのを予定しています。いろいろ考えているのでぜひ楽しみにしてください。

 

https://www.youtube.com/watch?v=l6LWL3A9LRs&feature=youtu.be