*転職する前に書いて放置してたものを加筆修正しました。
ベトナム出張 国外逃亡
去年の秋(2019年9月)にベトナムに出張になった。
wikipedia見たら「漁村」って書いてある。
決まったときは「うわ〜全然行きたくねぇ〜」と思ったが、日程が近づくにつれ、
「今みたいに自分に関係ない仕事を振られまくるよりはいいな」と思ってきた。
早く逃げ出してぇ、と。
会社ってのは他所は知らないけど基本的にアホの集団なので、「これやって」と言われてどんなに暇でも「海外にいる」と言えば「じゃあいいや、しょうがない」となるし、「今席にいる」と言えば、どんなに仕事が忙しくても「じゃあこれお願いね」となる。
このIT社会という単語がもはや死語になりつつある時代でも、全てに場所・距離が優先される。
Go over time and space(タイムレンジャーのOPの歌詞)。
要は金をケチってるせいでネット会議は繋がらねえし、電話はノイズまみれで伝達の齟齬はあるし、結局は伝言ゲーム、穴の空いたバケツリレーみたいな形でしか仕事ができない、そういう会社がたくさんあるんだと思う。
特に古くからある会社は。うちみたいな。
だから、俺は別に海外出張行ったこともないし、その仕事は俺じゃなきゃいけない訳でもないんだけど 、むしろ行ったことないからこそ「とりあえずの生身の現地との伝言ゲーム係」として、俺は行かされた。「お前そういえばまだ行ってないだろ」というだけで。
そのお陰で逃げられるわけです。ありがとうございます。
🦆🦆🦆🦆🦆🦆🦆🦆🦆🦆🦆🦆🦆
耐えていればいつかその日は必ず来る。
成田発なので朝は5時に起きだ。成田は横浜からはとても遠いのだ。
会社のイントラのシステムが難解過ぎて羽田の予約にできなかった。後から変更しようとすると会ったこと無いくらい上の位の上司の承認印が要ると言われて諦めた。くたばれニッポンのハンコ文化。
俺は毎日遅刻するほど朝が弱いのでフラフラしながら空港に行った。そしたら気が狂うほど長い列に並ばされ、2時間前に着いたのに換金する暇もなく飛行機に乗った。
そしたら席についてから1時間くらい飛ばなかった。
アナウンスはベトナム語なのでよくわからない。
デッドプールを観て(スパイダーマンとウルヴァリンの間みたいなやつだった)、3時間くらい寝たら着いた。
ベトナム到着 湿度が最悪
空港を出た瞬間、クソ暑くてクソ蒸しているので「サウナに入ったのかな?」と思った。さっきまで雨が降ったため湿度76%とのことだったが感覚的には水中にいるのと変わらなかった。この日は特に酷かったが、晴れていてもずっとじっとり汗をかく感じがある。
生きている間ずっとサウナに入れるのだから熱狂的なサウナ好きには堪らないかもしれない。
俺はとても不快だった。
空港で現金を交換する。ポケットに日本円が5千円しか入ってなかった。
日本の空港でキャッシングしようと思ってたけど時間がなかったのだ。
まあクレカ使えるやろと思っていたがクソ田舎なので街では全然使えずATMでキャッシングしまくることになった。
更に空港から2時間も車で送ってもらってホテルに17時くらいに着いた。
やべえとこ来てしまった pic.twitter.com/KVkdtFipH5
— T-DRAGON (ドラムマン) (@ELT_ogipei) 2019年8月26日
道路を並走しているのがだんだん日本車からバイクになった。SUZUKIが超多かった。SUZUKIの後ろにめっちゃ生きている豚が詰まったカゴを引っ掛けている人とかいた。
道は舗装されていないところも多く、土埃がすごかった。まじでやべえとこ来ちゃったなと思った。
最初はまだ工業地帯っぽかった
土じゃん。 村だよこれは。
助けてくれー
病気になりそう
NO MORE オッサン ジャパンの残飯
18時から現地の上司と飲みに行くとのことで、「現地のベトナム料理ってどんな感じだろう」とドキドキしていたら、アメリカのポークリブとピザの店だった。まあでもここは美味しかったし安かったから良かった。通常、出張組は毎日工場からの帰りにみんなで食事に行くとのことだったので明日はどこに行くんだろうな、と思った。
しかし次の日にわかったのだが、一緒に出張に来ている日本人のオッサン達の殆どが、「海外の料理が嫌い」なのだった。
これは本当に最悪だった。
最初の一週間、俺はそのオッサンたちに毎日のように和食料理屋に連れて行かれた。俺はパクチーも好きだし、フォーも食べたかったのだが彼らはパクチーと聞くと苦虫を噛んだような顔をした。
別に好き嫌いは自由だが、それで半ば強制的に和食料理屋に連れて行かれ、わんこそばのようにビールを継ぎ足され、「若いんだからもっと食え」と言われ、それでなんと割り勘なのだから始末に負えなかった。和食料理屋はベトナムでも普通に3〜4000円くらいはした。味はそれなりに頑張っているが、まあでもやっぱり偽物で、そんなものを積極的に食いたいとは思わなかった。黒霧島の700mlパックが5000円くらいしたよ。
世界観がわからん
日本の伝統芸能、軽度のアルハラもある。初日からクーラーで喉をやられ(カビとかかもしれない)、喉がガビガビで風邪気味になっていると言ってるのにオッサンは「ビールで消毒しろ」と飲ませてくる。「こんなこと言うとアルハラになっちゃうのかな?」と言って牽制してくる。セクハラするオッサンと同じだ。「こんなこと言うと〇〇になっちゃうのかな?」と自分は俯瞰した位置から発言していることを伝えれば許されると思っているのだ。
つまらない人間はみんな同じことしか言わない。頭を使わないからだ。頭を使う人間は面白いけど、頭がつかえない人間は面白いことを言わない分、暇なので酒を飲ませて他人を潰し、暇を潰す。
そして割り勘だ。「若い奴らがよく飲みよく食うところを観たい」というエンタメを提供してやってるんだから3割でも負担してほしいものだが完全に割り勘だった。まあお釣りの50円とかくれたけどそんなの財布が重くなるから要らなかった。電子マネーの時代なンだよ。
オッサンもっと冒険して楽しく生きようぜと思ったがオッサンたちは日本のしがらみ(たぶん家庭とか家庭とか家庭とかだろう) から解放されめちゃくちゃ楽しそうだった。現地の薄着の浴衣を着ている若い女の子に焼酎の水割りの作り方を駄目出しして大喜びしていた。お前ら家でメシも1人で炊けないくせに偉そうにすんな。
日本を離れているというのに日本の飲み会文化にどっぷりの每日で、あまりに気が滅入るので途中でわざと残業をして帰宅のタイミングをずらし、話の分かりそうな上司にお願いしたらタイ料理屋に連れて行ってくれた。その上司は日本で仕事をしていた時はあまり好きではなかったがやはりベトナムにいるときだけとても活き活きしていて、現地グルメが好きだったので頼りになった。
品の良い店で、結構飲み食いして1500円/人だった。日本なら倍くらいすると思う。途中でギターとバイオリンの演奏もあったし、トムヤムクンがとても美味しかった。日本だと単品で1200円くらいすると思うが、600円くらいだった。
上司の高感度、激age ageトランスであった。
「もう偽和食屋で体育会系上司にビール飲まされたくない」と思い、話のわかる方の上司に「オススメの店連れてってください」って言ったら生演奏付きのタイ料理屋でバキバキに風邪が治った。 pic.twitter.com/JKwJ4aFaOl
— T-DRAGON (ドラムマン) (@ELT_ogipei) 2019年8月31日
60円のビールも飲ましてくれた。味はまあまあ。
600円です 1人60円 pic.twitter.com/KHFaoebAFn
— T-DRAGON (ドラムマン) (@ELT_ogipei) 2019年8月26日
T(てぃ)散歩 ギリ生存
ベトナム良いじゃん。物価安いじゃん。
そこで勢いづいた俺は休みに街を散策した。どうせ2週間もいなきゃいけないんだ。
オラもっと世界が見てえ。
ベトナムの交通事情は最悪で、日本だったら老人が全員轢かれて高齢化社会が一瞬で解決する程度には危険だった。信号は気休めでしかなく、基本的にはバイクが最強だった。バイク優先。
バイクはやりたい放題だ。赤信号でもガンガン走るし、いつまでも途切れない。横断歩道を渡るときは、ギリギリ轢かれないようにバイクの前に飛び出て、渡るしかない。もし相手が狂っていたら轢かれるから、相手が狂っていないかどうかをなんとなく判断して飛び出す。でも大体狂っているから急いで渡る。それがベトナムでの横断歩道の正しい渡り方だ。渡る前に毎回遺書を書いた方が良い。
十字路はずっとバイクが走っているので、横断歩道の白い線があるところは逆に危険だ。
日本のヴォケ老人みたいに横断歩道じゃないところを渡った方が安全な場合も多い。
俺は最初の頃は道路が渡れず、呆然とただ突っ立っていることしかできなかった。
車はバイクがイカれてることを知っているので、かなり低速である。そうじゃないと絶対事故るからだ。だから、そこまで事故は多くないが、上司は前に一度ぶつかったそうだ。バイクのオッサンがキレてヘルメットで運転手を殴りまくって流血騒ぎだったそうである。リアル世紀末。西成なんて全然大したこと無い。
俺は右と左を合計20回ずつ見ながら横断歩道を渡り、スラムを散策し、目的の揚げ春巻きや、カニのフォーなどを食べた。とても美味しかった。合わせて450円だった。あの和食料理屋の変なソース焼きそば900円(にんにくが入っていてまずかった)は何だったのか、と思った。
揚げ春巻きとエビとカニの入ったフォーの店。合計で450円。#バインダークア #ベトナム料理
ベトナムのコーヒーも飲んだ。ベトナムはコーヒーの産地だそうで、嬉しいことにエスプレッソもあった。俺はイタリアに旅行に行ってから(自慢)、エスプレッソが大好きになった。このお店のは酸っぱかったけど。
イタリアでは100円くらいだったけど、ここは150円だった。日本だと300円はするから良心的。
ベトナムのエスプレッソ。酸味強い。象の看板だ。#ベトナム#エスプレッソ #arodalcoffee
ベトナムのコーヒーで有名なのはこのエスプレッソに練乳と氷をいれたものだそうだ。
120円。超安いけど、超甘い。コーヒー飴を舐めているような感じ。そしてすっぱい。
コーヒーは 持ち帰れる。アイディア賞な手提げ。
毎朝ホテルのビュッフェでフォーがあった。やったぜ。
現地のパクチーは臭いとか聞いていたけど、全然普通で肩透かしだった。レモンじゃなくてライムを絞る。
やはり地球なので犬はいる
怪我をしているわけではないがカエルみたいな犬
「なんだドラゴンエンジョイしてるじゃん」という声が聞こえてきそうだが実際のところ楽しいのは土日と晩飯だけであとは残業も結構多いし昼飯はきったねー工場のくせえメシ(本当に至るところが臭い)だし、トイレも臭いし汚いし、水道水は汚いから顔とか歯磨きしてはいけないと言われるし、そのためにミネラルウォーターを買うんだけど硬水だから結局お腹はずっとぐるぐるしている。
俺はこれでも結構辛くてもできるだけ明るく努めるタイプなんだ。
そして俺は結構清潔好きで匂いにも敏感なのでこの生活は結構つらかった。
俺のストレスは一週間目にして地味に頂点に達しつつあったのだ。
■後半に続く(いつ書くかは不明) To be continued... ⇢