たぺログ

Emily likes tennisという日本のバンドのドラマーが描く人間賛歌的なブログ

ドラゴン、また仕事辞めるってよ

クセになってんだ、転職するの 

オレ結構辞めるけどどうする?

 

 

 

 

新しい仕事ですが半年持ちませんでした。

神速のインパルスで転職することになりました。(神速はカンムルと読んでもいい)

テメーこの前より速くなってやがんな(辞めるまでが)

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とりあえずファミマのバイト2ヶ月で辞めた時よりは長いですけど、今回は正社員だ。というか、これはもう圧倒的に誤社員だ。

この半年は何かの間違いだったとしか思えない。

そして、振り返ろうにもこの半年間何をしていたのかほとんど思い出せない。忙殺とはよく言ったもので。

 

1月に入社して、最初の2ヶ月くらいは何も仕事なくて毎日Wikipediaを監視して定時に帰っていた。「こりゃー転職だけに天職じゃねえか!?ワラ」とか言いつつ、薄々は「あーこれ忙しすぎて俺に仕事を振る余裕も無いんだろうな」と分かっていた。

 

3月に入ったら案の定、突然のソロ出張とかバンバン入れられて、「試用期間中に休日出勤させるとかあるの?」と思いつつ言う通りにしていたら、気付いたら3−6月は毎月60時間残業になっていました。

前の会社だと30時間超える時は上司にお参りに行ってたけどここでは80時間まで申請が要らないそうだ。しかもこれ合法らしい。

家に帰ったら飯食って→風呂入って→転職サイト見て→寝る みたいな暮らしをず~~~~っと続けていた。

最後はずっと友達と通話しながらやるFPSゲーム(人間が殺しあうやつ)が心の支えになっていました。RPGとかちょっとでも脳みそ使う系の複雑な奴が完全に無理になるくらい脳死してた。

パチンコとか始めてたらやばかったかもしれない。ちなみに株はコロナでやばいことになったのと、今の家の礼金がクソ高かったせいでこの半年の貯金は実はほぼ無いです。

 

梅雨から夏にかけては30度を超える真夏日が続いて、エアコンがぶっ壊れたままで放置され、我々のクレームも届かず、何度か立ち眩みに遭いながら肉体労働をさせられ続けた時は本当に労災になると思った。ビーストが考えた「労働災害ヘルニア」って歌詞、機動戦士ガンダムみたいでかっこいいと思う。

だが大きい会社では人間は数字でしかない。何かが起きたって、始末書書いて頭下げて、他の皆が書くエクセルシートが一つ増えるだけ。プラン、ドゥー、チェック、悪態のPDCAサイクルだ。映画エリジウムマット・デイモン放射能を製品にぶっかける作業場みたいなのに誤って閉じ込められてしまってめっちゃ被ばくしてしまう未来の労災シーンがありますが、俺も外骨格改造されてゲットバッカーズするところでした。復讐は何も生まねえからよ…。

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唯一良かったのは自転車通勤だったことです。ドア・トゥー・ドア(ヘブンズ・ドアだけど)が15分という、「それもう家じゃん」というくらいの近所に引っ越していなかったら、僕はどうなっていたかわからない。毎日電車が走るのを見ていると急に線路の冷たさが気になってしまうこともあるだろうね。前職の30時間残業と今回の60時間残業の間には深い溝があるということを痛感した。そして通勤時間はマジ大事。

これが遠いと転職活動も厳しかったと思う。web面接とはいえよく平日に時間作れたよ。

 

 

次の仕事はかなり給与は減るし福利厚生も無いし、立地も新宿辺りで、家賃相場高い地域です。なので生活は少し厳しくなりますが、在宅勤務奨励してるし何より人が良さそうなので良かったです。あとバンドの練習場所も近い。俺バンドしに関東に来たんだよな?この半年間何してた?

神経質なのに居眠りばかりしているしんべヱそっくりな先輩(ハゲしんべヱと心の中で呼んでいた)とか、ずっと机で振動してた、向井秀徳に似てるバイブス先輩(バイブとバイブスのダブルミーニング)とか、さようなら。親切だったけどクセが強すぎて常に視界に居るのはしんどかった。

 

退職を伝えると、休出し過ぎて充血した目の下のくまが光を反射しなくなるくらい黒くなっているフランケンシュタインみたいな上長はすごくあっさりと「そうなんだ、わかりました」と受け入れてくれた。

小さな歯車の在庫は幾らでもあって、いつでもすぐに交換できる。入社して鬱で半年で休職した新卒の代わりもすぐに補充されていた。おれが辞めても代わりはいるもの。働くなら早くしろ、でなければ帰れ。使えるかね。死んでいる訳ではない。

有給はどれくらいかわからないけど、消化させてくれるみたいです。決してブラックではないと思う。仕事に全力を注いで、そのリターンとして残業代と家賃補助が出て、家族の為なら転勤も平気で土日の趣味も要らない、そういう一つの正しい人生を送ることを目指す人にとっては 最高の会社だったと思う。だから、これは適性の問題だ。

死ぬ気で滑車を回すネズミには、惜しみないご褒美をあげる、そういうラットレースだ。

 

 

転職が決まった直後くらいに東京に住んでいる妹がうちに来た。良いケーキを買ってくれた。久しぶりに紅茶をいれた。f:id:ELT_ogipei:20200802081652j:image

家族のありがたみ。

「横浜にできるテーマパークってマーベルとかなんかな?」って聞いたらディズニーオタクの妹に「いやそれは無いな」と断言されてしまいました。お前はスパイか。

 

めでたしめでたし、とは言っても夏が終われば新しい仕事が始まり、またイチから仕事を覚え、人名を覚え、サボり方を覚え、諦めを覚え、働かなくてはいけない。繰り返される諸業務増、蘇る転職衝動。

 

最近はなぜか「人生で一回くらい腹筋を割ってみたい」と思うようになり、平日の夜は鶏むね肉とブロッコリーとプチトマトばっかり食べています。ティンダー自動右フリックアプリを起動したまま画面を見つめる友達に「何を目指してんの?」と聞かれ、イ・ビョンホン、と答えようとしてふと口をついて出たのは「未来」という答えでした。

未来。

どんな時も、生きている俺たちが目指しているのはそう、いつだって未来。

 

このご時世で新宿に家が近づくのもあれだけど、でもまあ、「今、仕事があるだけマシだよね」って整体師のオッサンに言われて、確かにな、世の中もっと苦しんでる人とかいるらしいし、100時間残業とか200時間残業とかあるらしいし、俺の肩こりと地獄なんか大したことないよな、って思いました。

 

そこはもう絶対行きませんけどね。知らねえよ、夏。