たぺログ

Emily likes tennisという日本のバンドのドラマーが描く人間賛歌的なブログ

同窓会を思い出し、牛丼屋のおばあさんの手作りカレギュウを食おうとした話

「牛丼を自分で作った方が良い」とか独身男性に喧嘩を売ったツイートが流行っていますね。

内容とか以前に、単純に「聞こえますか…」のレシピ公開コピペに飽きてたフラストレーションのはけ口になってしまったのかな?と思うがどうだろうか。どうでもいいか。

結果として牛丼チェーンを見直す動きが出ているようだ。

原価とか労力とか時間とか味とか。

そんなことよりただ「食いたい」と思う。

俺は自炊派と非自炊派の終わることのない議論には参加しなかったが、牛丼は食いたくなったので松屋に行った。

今日は年明けの出社一日目だが残業で既に疲弊して飯を作る気力がないのだ。

 

近所の松屋にはおばあさんが働いている。

ライブのあと、終電近くになってから寄るといつもいる。おばあさんなんだから早く寝てほしい。

当然、おばあさんが出すのでなんとなく手料理感が出る。シチューとかクッキーもなんちゃらばあさんの何とかみたいな名前のやつがあるのでこれは人間の共通認識だと思う。家で飯を作るより外注するほうが楽な時代が進めば、ババアの作る飯は旨そう、そんな常識はいつまでも続かないかもしれない。

でもなんでもかんでも外注する俺達が悪いのだろうか?

単純に残業して飯を作る暇もないようにさせる、管理者が悪いんじゃないのか。

いや、今は誰かを責めるより、腹が減っている。

 

こうして俺は松屋おばあさんの手作り牛めしを食いに来たのだ。

あれ?いないじゃないですか…

券売機の前で立ち尽くす俺。

ここで俺の仕事の疲れと、あと年末年始の同窓会でのちょっと悲しい感想を並べて、おばあさんの手作り牛丼を食べて「明日からも頑張るぞEND」にしたかったのに、この日記の続きはどうするんだ。

たぶんおばあさんは疲労した会社員(しかも俺がライブ後に見かけるということは土日出勤)に癒やしを与えるゴッドマザーババアなので、深夜勤務なのだ。

ちゃんと寝てくれよ。

 

手作りじゃないならいいや、と思いカレギュウにした。カレーの横に牛丼の肉が載ってるやつだ。

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俺はみんなと同じでカレーが好きなのですが松屋のカレーは結構美味いと思う。ちゃんと苦味とか、あと色々と味があるのだ。牛丼じゃなくてカレーの方なら自炊して家でたくさん食いたいと思う。たまに血迷って牛肉と混ぜて食ったりもするけど、牛丼用の甘い肉とカレーは全然合ってない。だが俺はカレギュウが好きだ。両方食えるというのが大好きだからだ。

俺は「でも590円って高いよな」と思ってからまた悲しくなった。同窓会の高収入な皆はそんなこと思わないだろうな、とすぐに思い出したからだ。はい、やっぱり回想はさせてください。まだ1000文字目なんで。

 

ところで、正月の帰省というのは普段とはだいぶ異質なシチュエーションだ。

年末年始はテレビやらラジオやらで特にその年のヒットソングを歌うアイドルとか人気のお笑い芸人とかが何度も何度も現れる。

正直、あまり好みじゃない歌とか、笑えない一発芸とか、そういうのをフォアグラ製造中のアヒルの如くひたすら流し込まれ、「えっ、お兄ちゃんこれ知らへんの?(TV見てないアピールとか今時流行らんで)」と妹に驚かれるのが正月のイメージ。

 

だが、それが必要なのだ。

文句を飲み込み、落ち着いた表情で全てを受け入れる。

一年に一度、自分が選んだTwitterの世界や、オフィスや、ライブハウスの狭い世界から這い出て、少し広い世界を覗いてみる。

そうして、スポーツ選手とか、天皇とか、星野源とか、そういうよく知らない人がなんかをやっていることをちゃんと把握することで自分中心の考えをやめ、リセットする。

それはなんか大事なことだと思う。

 

でも今年、実際にその時を迎えてみると俺は割と耐えることができなかった。

去年までと違って俺は仕事の不安を抱えていた。

休みが明けたら仕事が始まる。

無茶なスケジュール、仕事量。

今こんなことをしていていいのだろうか…。

俺はコタツに入って「Excelの作業効率が100億倍にアップする10の設定!」みたいな感じのアフィリエイトブログをたくさん見て、ひたすらURLをメモし続けた。

年明けの仕事が少しでも速く進むように…。

焼け石に水だ。だけど何かをしないと不安だった。焦燥感ってやつ。

あとは単純に、年末年始以外も全然居心地が最悪な会社にいるため、もう不快な思いをこれ以上しても飽和して何も学び取る余裕がないというそもそもの問題もあった。

文句なんて毎日飲みこんでるんだよこっちはよう。

無意味なメモがたくさん溜まった。

年が明けた瞬間にテレビを見ると大きな柴犬の顔が映っていて「おつかれさん」と言われた気がしたのでその日は寝た。

 

と言うわけで同窓会も乗り気がしなくなっていた。

そんな中で、実際に行ってみて、俺はみんながもう周りなんかどうでも良くなっていることに気がついた。俺が私服(周りは皆スーツなのに俺だけライトオンのセーターとジーンズだった。前日まで知らなかったからだ。)でいても、ちょっと突っ込まれて終わりだし…まあそれは最初から俺のことなんてどうでも良い人が大半なんだけど…ずっとなんかどうでもいいよって顔をしている気がした。

ただただ、年収だけ何となく伝わってきたのが俺はしんどかった。

高校の時にもっと喋れる人を作っておけばよかったのかな。

でもそんなことは無理だった。

俺は最近コミュ力がちょっとだけ上がって、平均レベルに達している気がしていたが、もうこのタイミングの同窓会ではそんなものは要らなかった。知らない人と新しく交流するなんてムードではなかった。昔の友達にあいさつ回りして終わりだから。もうこの先には何も続いていないから。皆は帰って頑張ることがあるのだ。

二次会も無く俺は数少ない仲の良い友達と喫茶店でケーキを食い、反省会をして帰った。

 

帰り道、こないだのレコーディングの音源が上がってきたので確認した。

 

良かった。

良い。

ドラムはまだ下手だけど。

 

横浜に帰って、俺にも頑張ること(会社以外に)があってよかったなと思う。

ババアまた牛丼食わせてくれ。

 

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