たぺログ

Emily likes tennisという日本のバンドのドラマーが描く人間賛歌的なブログ

浜松のイデアの話

疲労、病気、不安

 

俺の中で3つの力が1つになった時、俺は青眼の究極T竜(ブルーアイズアルティメットTドラゴン)になった。どっちかというとマンモスの墓場が合成された時の状態かもしれない。

T-DRAGONのTは「つらい、つかれた、つぶしがきかない」のTだ。

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勝敗を逆転するために浜松に行きます。

浜松というのは静岡の隣にある町だ。そういう場所があるらしいというのは噂で聞いていた。

 

大学の時の友人達とそこの「さわやか」に行った。爽やかって今1番俺に足りていないものだ。

 

毎日毎日、疲労をカフェインで誤魔化していたら心の疲労だけ知らない間に積もってしまった。


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そんな冴えるブラックではもう救われない俺のことをそのハンバーグが救ってくれるという。240mgのカフェインが闇の力なら、1gの肉には光の力がある。パラディンだ。

 

ハンバーグと焼き野菜カレー
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こういう、げんこつハンバーグをみんなが頼んでいる時に一人だけカレーとか頼む、空気読めない精神的デブが必ずいるじゃないですか。

そいつの名前はT-DRAGONという。

 

さわやかは浜松の名物らしい。俺はInternet Explorerでブックマークに入れていたので知っていた。

さわやかは1000円ちょいくらいで喰えるのにかなりうまかった。

ネットで調べると食べログとか2chで一部叩かれていたがネットの人間は信用できないと思った。ネットの人間が「まずい」「たかい」と3文字を打ち込んで送信する間にコックのおじさんは肉をバキバキこねまくり、おばさんは炭でハンバーグをモリモリ焼きまくっているのだ。筋肉が違う。この味こそがリアルだ。

ハンバーグの真の姿、すなわち『 イデア』。

それは電車を乗り継ぎ友人の運転する車に乗ってスマホをいじって連れてきてもらい整理券を貰って待たないと食えないのだ。光ファイバーや4Gではダメだ。それは電子の情報だから。iPhoneXを持っているだけでは駄目なんだ。それはダイレクトに脳を刺激しない。

俺は牛肉100%のイデアを食った。全然足りない。俺はイデアをあと400gくらい食べたかった。あとカレーも結構美味かった。

 

しかもコーヒーが100円だった。俺は「横浜にも作って欲しい」と言った。食後のコーヒーが100円の店を見ると幸せが溢れ出す。帰りたくないと思ってしまう。どこにか、どこにもだ。ここが今、俺たちの居場所だ。

 

だが俺たちはそのまま旅館に向かう。いつまでも居られる場所など無いから。永遠は何処にもないから。それはいつでも思い出の中に在る。
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寂れた遊園地が見える。観覧車もジェットコースターも動いているが俺たちは行かなかった。

俺たちは疲れていたからだ。真の自由とはいつでも行き、いつでも行かないことを選べることを言うのだ。俺たちは遊園地に行かない自由を得ている。

俺は畳でうつ伏せで1時間ほど呻いたあと、銭湯だか温泉だかで交代浴をして晩飯を食い酒を飲んで寝た。

 

起きたら朝ご飯があったので食べた。そしてまた銭湯に入った。

朝ご飯をモリモリ食べたのにコメダ珈琲を見つけてしまった。
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400円でコーヒーとつぶあんトーストが食べられる。モーニングが安い店を見ると幸せが溢れ出す。いつまでも居たいと考えてしまう。自分だったら絶対に躊躇する量のマーガリンが塗られている。罪悪感の外注は外食の醍醐味でもある。中華料理屋のチャーハンの油量は家で作ったらPTSDになるレベルである。そんなことは気にせずワシワシ食べる。俺は食べ過ぎで気持ちが悪くなってきた。風邪引いてたらあんまり何も食わずに寝てた方が良いんだ。

 

浜松に行ったと言うと鰻についてどうなのかと思われる方がいるかもしれないが鰻の消費については2014年には国際自然保護連合(IUCN)が「絶滅危惧種」に指定するなど非常にデリケートな話題となっている。世の中には様々な考え方があり、それらどれにもそれぞれの理由がある。みんな難しい問題について色々考えているのだ。

俺は鰻が大好きだが、今回は鰻を食べたのかどうかについては言及を避けたいと思う。皆もこれを機に鰻について色々考えてほしい。そして色々思いついてほしい。そうやって色々やることが大切なのだ。色々やることによって、また新たなことがわかるので、そうすればきっとそのうち物事は良くなる、そう聞いている。


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 ※写真はうな重の参考画像

 

「鰻はタレが美味いだけ」とか言う奴は何もわかっていない。

 

疲れた。

食って座ってただけだけど疲れた。今はただ無が欲しいと思う。帰りたくないと心で泣き叫びながらも同時に俺は「早く寝てえ…」という身体の悲鳴を聴いている。

明日が来るのが怖い。

だが俺達がさわやかを去らなければならなかったように、すべての事象に終わりは来るものだ。ライブとかもあるし、まあ仕事は耐えるしかない…。

そうして新幹線の時間まであと2時間以上俺たちはこの浜松のモスバーガーでお茶を飲んで待っている。こんなにも何もしない、何も見ない旅行は初めてかもしれない。途中で本当はうなぎパイ・ファクトリーにも行ったんだけど、本気のマジで5分で出てきてしまったのだった。
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本当に飯と風呂以外の記憶が無い。でも俺達には休息が必要なんだ…。 

T-DRAGONのTに新たに「立ち直る」が薄く並んだのが見えるだろうか?俺には見えない。

 

友人が「グランダー武蔵*1の最後は闇の魚が出てくる」と話していたのでそのうちBOOKOFFで立ち読みしたいなと思っている。それだけが今の俺の目標だ。そうやっていくつもの夜を越えて、いつかまたこの地でイデアに触れようと思う。

その時にはイデアって言葉の意味が、ちゃんとはわかっているだろうか…。

 


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*1:コロコロで連載してたバス釣り漫画。主人公は釣ると「フィーッシュ!」と叫ぶ。主人公の母は魚を静止する能力を持っている