たぺログ

Emily likes tennisという日本のバンドのドラマーが描く人間賛歌的なブログ

SIerの会社説明会に行ったら「君は採用しない」と社長に言われた話

明日は吉祥寺でライブなんですが吉祥寺は遠いのであまり思い出がなく、ライブに出た以外だと今は無きバウスシアターで「オールナイトで昭和のゴジラを観る」という中年の汗臭そうな用事でしか行ってないので(幕が上がってゴジラの足音とともに缶ビールを開ける音が鳴っていた)全然関係ない話を書きますが明日のライブは是非来て下さい。一応その宣伝のために書いていますので気になりましたらよろしくお願いします。その際は「ブログ読んだよ」とお伝え下さい。

 

 

メインの話自体は大した事件でもないしょうもない話なので少し回りくどい感じで始めさせて下さい。ちなみに最近は「この記事は2分で読めます!」みたいな異常な程の気の回し方をしているキュレーションサイトがありますが今回は4500字を超えているのでかなり暇があっても読むのはキツイです。

 

もうずっと会社に行きたくないので色んな現実逃避を代わる代わる考えている。

FX、株、ビットコイン、起業、農業、全て妄想して全て何の行動にも移さず(FXと株とビットコインの口座だけ開設した)、その可能性を模索だけして繰り返される生活を渡り歩いてきた。

 

で、最近のマイブームは「リモートワーク」である。

家に居ながらにして仕事ができるというやつだ。電車に乗る時間を削減出来るだけでなく口の臭い上司に無駄話を振られたり元々自分とは関係ない仕事を振られて残業させられ挙げ句の果てに飲み会に誘われて親とほぼ同い年のオッサンと割り勘させられることがなくなる(気がする)素晴らしい制度だ。誘ったら払え。払わないなら誘うな。

そもそも家が大好きで家から出たくない俺にはぴったりである。自由時間が増えればバンドの予定も入れやすいし。

 

まあ、もっぱらハードウェアがないと仕事ができない弊社には無関係な話なのですが、数年間くらい頑張ってWeb系のプログラミングとか勉強して転職出来たら良いな〜、という妄想を通勤電車と昼飯の後の休憩時間と寝る前に考えている。でも家に帰って勉強する暇があっても圧力鍋でつい肉を煮込んでしまう。今の俺にはExcelでセルの並び替えをするマクロを組むので精一杯だ。それでも古臭い会社なので表彰状が貰える。金は飲み会代程度しかもらえない。

 

そもそもSEなんてそう気安く手を出していい職業ではない。俺はSEの父に「SEにはなるな」と言われているのである。確かにグーグルなどの年収高そうな理系企業といえばSEだし、賢そうで輝かしいイメージはあるし、なんかノマドワーカーとかスタバでマックでカッコイイし(僕もスタバでマックを開いたことがあるけどTwitterしただけだった)、なんかヤバそうだ。つまり何を具体的にやっているかはさっぱりわからんのである。その昔、父に「SEとはどういう仕事なのか」を聞いたら「説明が難しいのでコレを読め」と言われ「13歳のハローワーク」を渡されたことがある。システムエンジニア、の項は非常に長くて、一生懸命読み切った結果、サッパリよくわからなかった。

 

そういう訳でなんか憧れが有りつつ距離を保っているSEという職業だが、昔一度、就職活動で志望していた時期があった。今僕が入社3年目なので、もう3年も前の話である。

志望していた理由はやはりバンドだ。バンドを続けるには転勤は無理だ。

理系で、関東勤務で、転勤がない条件で、物理学科出身の学生が入れる会社というのはとても少ないのだ。ただ、SEなら別である。どこでも出来るし、大きな工場も要らない。 

 

そんな中で出会ったのが「アXXXXXX」という会社だった。

(以下、ア社)合同説明会という色んな会社が集まって会社の説明をする会でも、その会社はとても目立っていた。説明のテンションが高く、明るく、ちょっと引くくらい頑張って勧誘していたのだ。今思うと新興宗教みたいだった。そして、渡されたチラシに「立食説明会」と書かれていた。

特に就職活動を始めたばかりの僕は、就職活動に過剰な恐れを抱いていた。「内定がもらえなかったら死んでしまう」くらいに考えていた。だから、出来るだけ多くの会社の催しには参加したし、それが少しは内定に有利に働くと信じていた。会社側も、いきなり応募してきた就活生より、何度か話をした就活生の方が信用できると判断するだろう、と思ったからだ。なのでその説明会が費用を取ると聞いてもその時は何も感じなかった。1千円ちょっとで内定に近づけるなら安いものだと思った。

 

下調べをすると、ア社は有名で大きな会社らしかったし、仕事もインフラ系や国やら立派な事業をやっているらしかった。なので実際に内定を貰ったら他は蹴ってもいいかもしれないなくらいに思っていた。

 

立食会には全部で5名程度しか就活生が来なかった。僕はチャンスだと思った。少ない人数の中でなら自分をアピール出来る。それでこそ参加した意味があるというものだ。だが、一人やたらとテンションの高い女の就活生がでかい声で周りの就活生や人事に話しかけていた。その女はかなりウザかったが、この会社は皆和気あいあい、アッパーなオタクサークル的な雰囲気だということは先の説明会でもわかっていたので、そのイメージには沿っている。空気を読んで合わせているのかもしれん。なかなか強敵だなと思った。

 

まずは動画による会社の説明が始まったが、大きな会社と取引しているしっかりした事業の一方で、かなり独特な制度を数多く採用している革新的な会社らしかった。あまり具体的な話を書くと会社がバレるので割愛するが、「昼休みは皆で勉強会をする」「仕事の後も一年目は寮で勉強会をする」「月に一回席替えがある」とかそんな感じだった。

今の俺だったら「勉強?ハア?給料よこせや!」と叫んで暴れるだろうが、当時の僕は「THE・就活生」だった。そもそも普通の神経のやつが面接なんて狂った状況に耐えられる訳がない。なんできたねえオッサン数人VS1人で座らされて相手の聞く事に全部理想的な噓を返さなければいけない拷問を何回も何回もやらされるのか。わけの分からん写経を繰り返してやたら高い写真を貼り付けて提出して、大学名だけ見て捨てられなければならんのか。そんな疑問を全く持たず、「私はこちらの会社の理念に共感しました」と笑顔で言える意識高い系就活生だったのだ。自分を自分で洗脳しなければサラリーマンにはなれない。むしろ僕は感動していた。「なんて素晴らしい会社なんだろう。」「ここでなら僕は自分の可能性を伸ばすことが出来る」「会社もそれをサポートし、僕もその能力で会社に貢献できる」「やりがい」「スキルアップ」「生きがい」

僕が感動している後ろでさっきの女が途中退出した。ワインを飲みすぎてトイレで吐いているという声が後ろから聞こえてきた。コミュニケーションスキルが高いと思ったのは買いかぶりだったらしい。ちなみに女はそのまま戻ってこなかった。

 

そこでおもむろに社長が現れた。

悟空の声優に似ていた。やり手の女社長らしく、プロジェクターで輝かしい経歴の描かれたパワポが壁に映される。ハーバードだかケンブリッジだかわからんけどMBAを取ったらしい。すごい。

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そして就活生達の自己紹介タイムが始まった。皆学歴は高かった。T工大やら、なんやら、ただ受験が難しいだけではない、即戦力になりそうな、そもそも会社と共同で研究とかしてそうな感じの、専門知識レベルの高そうな、チェックシャツ眼鏡達だ。

だが彼らは常識レベルのコミュニケーションスキルすらなかった。残念ながらどんなに仕事ができても、会社とは一人で働く場所ではないのだ。お互いに話ができないと文字通り”お話にならない”。そんな天井とか壁の方を向いてブツブツ呟いている様では大学名しか分からん。一生ニコニコ動画でも見ていればよい。

 

僕の番が来た。僕は大学では全く真面目に勉強したことがないため学力レベルは高校卒業時で止まっているが、適当に研究の話でもしとけばスケールだけはでかい感じがするだろうと面接と同じように話し始めた。僕はこの頃既に自己紹介を1分か3分どちらでも暗唱できるようになっていた。「私はXXXXです。大学はXXXで〜」

すると女社長が信じられないことを言った。

 

「ああ、君は採用しないから」

 

「え?」「XXX大学の子は取らないようにしてるんだよね」

一瞬で色んな可能性を考えた。1秒位の間に「学歴が足りないのか」「研究分野が遠いのか」「学長と仲が悪いのか」「卒業生と離婚したのか」「夫が卒業生と浮気したのか」「僕の顔が気に入らないのか」「聞き間違いか」など本当に色々考えた。湧き出たと言ったほうが近い。

だが正解はもっとシンプルだった。

「XXX大学の子ってうちの内定すぐ蹴るからさ〜」

え〜そんな理由…

 

後の話は何も頭に入ってこなかった。他の人事が何かフォローするようなことを言っていたが全く無意味だった。面接ですらないのに人前でこんな失礼な言い方をされたことに怒りすぎて頭の中が真っ白になった。一瞬で僕の中でハリボテの「高い意識」は砕け散った。残った瓦礫には「会社はクソ」とだけ書かれていた。

説明会が終わって逃げるように部屋を出た。出口で人事が「今後の会社イベントの連絡をさせて頂きますので〜」と慌ててアンケートを突き付けてきたが「コイツ正気か?」と思った。ブチ切れてやれば良かったがそんな余裕もなかった。無視して通り過ぎた。

 

エレベーターを降りてひと息つくと虚しくなった。後ろからさっきのコミュ障T工大生の一人が来て「どうでした〜」とヘラヘラ話しかけてきた。「僕、なんか悪く無さそうだし受けてみようと思うんですよね〜」と言うので「そうすか」とだけ返事をしてそそくさと帰った。俺が言われたこと聞いてなかったのか。

 

その後も就活続けてたら今のところになんとか受かった。やたら意識の高い洗脳研修で皆が泣き出すので僕も感動して後で後悔したので乗せられやすい癖は治っていないらしかった。またハリボテの高い意識が鎮座した。が、3ヶ月ほどで研修が終わり今はどこか押し入れの中に消えてしまった。

 

僕はディズニーアニメを見て育っているので、基本的に素直な人種だ。

だからは多分向いてないだろうなと思う。意識高いところ。乗せられやすいので。いや、逆にサラリーマン向いてるのかな。

でもExcel VBAが使えたら入れて、リモートワークが自由にできる会社があったら教えてください。あと有給は使い切りたい。

 

ではまとめに入ります。


今回のお話の教訓


・人はすぐには成長できないということ。
僕は意識高い系就活生になり勉強もサークルも何もかも適当にやってた自分を、忘れたかのようにリセットしようとした。でもこれまでの蓄積はそう簡単に変えられるものじゃない。きっと僕はこの意識高い系会社に入ったらそのうち潰れていただろう。型にハマった生き方というが、無理やり型に嵌めようとして僕の人格は粉々に割れていたかもしれないのだ。人間そんな簡単に型に嵌めることはできないし、すっぽりハマれる型があるならその会社で良いじゃんということだ。変わりたいなら自分に合った環境で少しずつ変わるべきなんじゃないのか。僕は最終的に意識が低い会社で自堕落にやっているが、もっと意識が低い会社ないかな~と探しています。
・失礼なババアはクソ
調子に乗ってるババアは全員ぶん殴れ。犬の糞をぶつけろ。転職ドットコムで低評価をつけろ。クソババアくたばれ! 

え?そういう話じゃなかったよね、そう思うかもしれませんが何事も謙虚に結論づけた方が性格が良さそうに見えるのでこれで良しとさせて下さい。

 

 

あとライブの告知が有ります。

 

8/26(Sat) 吉祥寺warp

「DESTRUCTION PARTY vol.2」

開場 15:00/開演 15:30

前売り 2,000円/当日 2,500円(+1D500円)

出演:ペドラザ、神々のゴライコーズ、MEAT EATERS、しゃっく、逃亡くそタわけ、NEW FRONT SPARL、Teenager Kick Ass、UlulU、突然少年 and Emily likes tennis

 

出番は7時半です。