たぺログ

Emily likes tennisという日本のバンドのドラマーが描く人間賛歌的なブログ

Amazonビデオのドラマが見たい話

正気を失ってきた。

これをスマホで書いている今の俺のことだ。

 

年末にも関わらず無理なスケジュールの仕事を与えてくる上司のせいで毎日毎日、残業続きだ。どんどん周りが転職していくせいで人が足りない。それで「これ、明日までに出来る?」とグループの垣根を越えて違う上司から違う仕事を投げつけられるようになった。風通しの悪い職場が良いな…と思いつつ泣いていると更に偉い奴からは「有給を取得するように」と高度な煽られ方をする。「いくら残業しても間に合わない」と嘆願しているのに、また違う上司には飲みに誘われ丁重にお断りした。

これで仮に飲みに行って次の日「間に合いませんでした」って言ったら違う先輩に「じゃあどうするの?」と言われるのだ。

俺は常々陰で言うのだが会社員というのはポケモンのようなものである。上司の仕事というのはマネジメントで、つまりポケモントレーナーだ。俺達ポケモンをどの順番で出して、どの技を使うか、命令コマンドを考えるのが仕事なので、当然、高い給料をもらっている。

俺がピカチュウで「いや、あの、これ相手地面タイプなんで…かみなり効かないですけど…」と言ってもトレーナーが「え?じゃあどうするの?」と聞いてきたら俺は泣きながらかみなりを使って敵にやられるしかない、そんなおかしな仕組みが現実が既にある。俺は「会社が会社員に求める自立心とか自己管理能力を完全に身に付けたら、会社なんて要らないよな…」と思いつつ今日も働く。ピカチュウが自分で何するか判断できたら、独りで生きていけるが、結局のところ彼らは皆ボールに縛られている。俺は金とリスクかな。

 

2001年宇宙の旅」のロボットHALが矛盾する命令に耐えられず気が狂ったように、俺の脳からはいつの間にか煙が上がっている。この日記は次の日曜、つまり大晦日に更新する予定なのでその頃には俺は正気に戻っているだろう。

大晦日は休みだから。

きっと実家のこたつでみかんを食っていることだろう。

けれど今の俺にはこの今しかない。

そしてこの今、世界の中心で俺は完全に心が死んでいた。

 

残業が何時間だとか今何時に帰っているとかそんなことは書かない。俺より幸せなやつや酷いやつがいたところでなんの気休めにもならない。奴隷同士が集まると、首輪の自慢をするという。最初は己の不運を嘆いていたのに、そのうち俺の首輪の方が質が良いと張り合うという訳で、何と呼んでも奴隷は奴隷のままだ。

 

俺は夜の帰り道、1人毅然と「残業くたばれ」と唱え続けた。

それを見て残業はただ静かに笑っている。

俺はそれでも懸命に「くたばれ」と唱える。

残業は何も言わず微笑んでいる。

そのうち俺は何も言えなくなった。

俺は敗北した。

 

俺は自分を憐れむことにした。

今日の俺はセブンの冷凍野菜肉(100円)を炒めて食って寝よう。しんど過ぎると美味しいものを食べようという気力すらなくなる。シンガーソングライターは苦しみを歌詞に昇華させるだろう。だがギターは手元になかったし、弾けないし、帰ったら早く寝ないと明日も仕事がある。そのため、社畜にはシンガソングライトはできない。原理的にする暇がない。

 

そのため社畜は消費活動に勤しむ。

すなわちご飯を食べながらテレビを見る。

 

昨日はブサイクなアスリート(と番組内では紹介されている)が化粧で美人(と番組内では紹介されている)になるのを見た気がする。

今日はデブ芸人(本当に太っている)がダイエットで痩せ芸人(と番組内では紹介されている)になるのを見ている。

俺は「MR.ROBOTが観たいなあ」と思った。

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MR. ROBOTは大変面白い。

MR.ROBOTはAmazonビデオで公開されている海外ドラマだ。タイトルがちょっとかなりダサい以外はとても良い。主人公は正義のハッカーです、という説明を読んだ時は観る気が全然しなかったが気紛れに観てみたら全然そういう話じゃなかった。マトモなやつが一人も出てこなかった。

映像とか音楽のセンスとかも良いし、あとセンスとか良いなあと思う。

Amazon会員じゃねえし!」という人はAmazonビデオの為にAmazon会員になったらいいと思う。俺はそれで月400円払っている。昔のポケモンとか全部観れるし。

 

そのドラマをポテチを食いながらだらだらプロジェクターで観るやつをやりたいなあと思った。ドラマは1話45分くらいあるので通して見るにはまとまった時間が必要だ。ダイエットは途中でやめても先が気にならないけど、FBIをハッキングしてる途中でやめたら次の日仕事にならない。

第3シーズンが最近始まったので早く観たい。俺はこれを1年は待った。第2シーズンは主人公のエリオット(うちのバンドのボーカルと顔が似ている)がドラッグをやって吐いてたら終わってしまったので、ちっとも話が進まなかった(面白かったけど)。

 

海外ドラマ面白いなーと思ってウォーキング・デッドとかも見たけどMR.ROBOTの方が好きだ。たぶんマクドナルドとかスティーブ・ジョブズとかをすぐけなすから好きなんだと思う。俺は馬鹿な大衆なので権威を難しい言葉で非難するのを見るとすぐRTしてしまう。

 

MR.ROBOTをみんなにも是非観てほしいなあ。主に映画好きな人にオススメだ。色んな意味で。感想を話し合いたい。まあ、そう言っておいて話す機会は絶対来ない。

俺は風呂に入って寝る。明日も仕事だからだ。

 

[12/30加筆]

無事、休みになったので今日はMR.ROBOTを観ながら麻婆豆腐を食うことが出来た。俺はしょうきにもどった!ニコニコしながら観ていたらめちゃくちゃ人が死んでいて怖くなってきた。

 

 

 

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そろそろぴあで予約しようか?

 

 

 

 

銭湯に行く話

銭湯。

こないだまでは「家に風呂があるのに470円も払って行くの…?」とか言ってた。

今では「今日は銭湯行く暇あるかな?昨日行ったばかりだしな…」と考えるようになった。

銭湯に行けば取り敢えず疲れが取れる。

取り敢えず銭湯に行こう…。

俺は銭湯中毒になりつつある。

 

学生の時は「旅行でわざわざ温泉に行く意味がわからない 」と言っていた記憶がある。

なぜなら風呂は家にあるからだ。

俺が学生時代に住んでた家賃2万の家は酷くて、異常に古い納屋に汚い浴槽が置かれただけのものを風呂と呼んでいたので季節ごとにバラエティに富んだ生命体が侵入してきた訳だけど、そんな半分ホームレスみたいな身分でも風呂だけを目的に夜行バスや車で遠出するメリットはわからなかった。

大阪にたこ焼き食いに行くとかなら分かった。

 

だけど社会人になって「旅行は温泉が一番だな」と思うようになった。基本的に休みの日に疲れることをしたくなかったからだ。休みの日は休む、その為に存在している。

今も目と肩と腰が痛み、まぶたが痙攣している。限界なんだ。

今朝、通勤電車で隣の女の会社員がイヤホンで爆音のエレクトリカルパレードを聴いていた。その人も限界だったんだと思う。人間はストレスを感じると何かに溺れてしまいたくなる。それは音の洪水とか、アルコールとか、お湯とか。そうやって自分を希釈したくなるのかもしれない。

俺はそんな日々の合間を縫ってわざわざ休みの日に、旅行ガイド本を順番に指でなぞり、有名なでかい建物とか、有名なでかい絵とかを確認しに行くためにあちこちダッシュする旅行には疲れてしまった。移動し続けたくない。

自分ではどこへも行かない、浮いているだけのラッコ。それが人類のあるべき姿だと考える。

それで俺は二言目には「温泉行かへん?」と言うようになった。

 

 

ただ、水風呂とサウナの存在は常に疑問だった。

「世の中には我慢するのが好きな人がたくさんいるんだな~」と思っていた。

 

その疑問は交互浴をやった時に氷解した。

交互浴というのが巷では流行っているらしい。それを知った俺もそれを試してみた。

数ヶ月前のことだ。

要はお湯とかサウナで体を温めてから水風呂で急激に冷やす(冷やすのは数分で良い)、ということを交互にやるのだ。詳しくは各自で調べて頂きたいが、これをやり始めてから俺の中で銭湯の価値はビットコイン並みにうなぎのぼりだった。

仕組み的には毛穴を閉じたり開けたりして血行を良くするということらしい。よくわからない。

 

水風呂に入る前に体をしっかり温めると、水風呂はあまり冷たく感じない。俺はストレッチとかをすることで長く浸かるようにしている。

そして繰り返し浸かり続け、冷たさを完全に感じなくなって水をぶっかけて浴場を出ると頭は完全にトランス状態だ。

油断するとぼーっと半裸で椅子に座ったままあの世行きになってしまうので早く家に帰らなくてはいけない。体がポカポカしすぎて、もう寝よう以外の気持ちが湧かない。

老人たちが銭湯に行く理由がわかった。

これはグレーゾーンの公共施設なんだ。

これは金取ってもええわ。

 

最近は家でも再現しようと水シャワーを浴びるのだがあんまり上手くいかない。

 

こんな話をしていると今日も銭湯に行きたくなってきた。

銭湯には変なやつがいっぱいいる。

スキンヘッドのハゲおっさんが繰り返し水風呂とサウナを往復している。おっさんは水風呂に入る時、禁止されているのに頭まで浸かる。髪がないからセーフという感覚は俺にも理解できるが、そのざぶんッと飛び込むスピードはかなりシステマティックで、じゃがいもの自動洗浄機(などというものがもしあるなら)を見ているかのような気持ちになる。寒さなど感じていないようだ。エンドレスリピートハゲおじさんはじゃがいもから真っ赤なトマトになってまたサウナに戻る。

いつか心臓が止まると思う。

 

有料のドライヤーで陰部を乾かす人もいる。

 

 

「海外の会社は残業時間が短い」とか聞くと「俺の実質的な寿命は海外の人より短いのかな」と思う。毎日定時で帰れる外国人は俺よりも好きなことがたくさんできるだろう。例えばフランスじゃ週に平均40時間しか働かないんだってさ。毎日ほぼ定時帰りですよね。

好きなことをやった時間がそのまま人生の有益さに繋がるのかはどうかは分からないけど、俺は「あーたくさん働いたなあ」って死にたくない派だ。

 

今日は面倒だからきき湯で我慢しよう。

 

世の中には銭湯の掃除を小遣い稼ぎにやって、あとは音楽で収入を得て、銭湯でライブをしている人とかいるらしい。音楽で生活するというのはなかなか想像しにくい世界だしそれ相応の苦労もあるのだろう。自分には遠い世界だし、そこまで求めることはしないけど、せめて、銭湯に入りたい時に入れるくらい、休みをください。サンタさんお願いします。有給使わせて下さい。お願いします。

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それが無理なら企画ライブにお客さんをいっぱい連れてきて下さい。お願いします。

 

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年明け迫ってきた企画ライブ。ぴあで予約すると特典動画が見れるバーコードが会場でもらえる。

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新曲がたくさん入ったうちわが会場で販売される。すごい良い曲が多い。

 

いきなりステーキに行こう、という話(2018/3/12微追記)

肉は俺たちを救ってくれる。

会社の忘年会では救われない。あれで救われるのは管理職だけだ。

2017年の漢字は「肉」だ。

2018年の漢字も「肉」だ。

年号は「レア」が良い。

 

いきなりステーキは旨い。実際のところ。

知っとるわ!と言われても俺はそんなに知らなかったのでしょうがない。俺はにわかいきなりステーカーだ。

渋谷で初めて食った時は何じゃこれ硬い!と思ったのだが、あれはどうやら焼きすぎだったらしい。俺が悪いのか、店が悪いのかはわからないが、もうどこの店が美味いとかそんなことはどうでもいい。家の近所に良いいきステを見つけたので、もうこれからはそこにしか行かないからだ。いきなり平日に食えるから「いきなりステーキ」なんだよ。店によっては夜にワイルドステーキ(貧者の肉)が食えないらしいので恐ろしい。ワイルドステーキくらい安い肉が食えないならいきなり行くような勇気も出ない。

(2018/3/12 追記:その後、渋谷の南口近くの桜丘店でリベンジを果たしました。夜でしたが乱切りカットステーキがあり、食べましたが美味しかったです。硬かったのは俺が悪かったようです。ただリブステーキはどの店舗でも硬くなりやすい印象があります。)


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これがワイルドステーキ。

あと体力ないので椅子がない店も無理です。俺がドラムをやってられるのはライブの時間中ずっと座っていられるからだ。

 

先週、ボーナスが入ったし、まあ別に、どうせボーナス入ろうが入らなかろうが奨学金返さないといけないから食うのは一番安いワイルドステーキなんだけど、それでも贅沢しようと思って、みんな大好きいきなりステーキに行った。学び直しなんて制度やらないで奨学金を無償化してくれればもっと良い肉を食えるのだが…。

 

最近は仕事が大変だった。

会社でずっと放置されていたせいで誰も動かし方を知らない機器があって、それを動かせるようにしないといけないのだ。なんのアテも無いくせに納期もキツかった。社内での呼び名を使うと社バレするので取り敢えずキングゲイナーとするけど、キングゲイナーはソフトだけが新しく開発された。しかし誰も動くかどうかは知らなかった。わかりやすく言うなら、犬の体に進化した人間の脳みそを入れてみたんだけど、どうかな?ってことだ。

誰も動くかどうかなんて分からなかった。脳みそが死んでる可能性もあった。

製造者は会社を辞めていた。俺だって辞めたいよ。

だが何週間も残業して、色んな当時の人達に聞いて、脳みその色々なところに棒を突き刺したりして、遂にキングゲイナーは動いた。パッと表示が出た時、俺はみんなが帰った実験室で一人叫び声を上げて椅子から転げ落ちた。キングゲイナーは無理矢理犬の体に閉じ込められて、それでもなんとか生きていた。

「ウワー!」

シンゴジラ高橋一生みたいになった。

「ウワー!ウワー!」

そして、

「今日はいきなりステーキだ!」と思った。

キングゲイナーを適当にその辺に投げて俺は退社した。

 

いきなりステーキにいきなり行こうと思った日は景色が違って見える。

いつもは陰鬱な通勤電車も、いきなりステーキへのレッドカーペットのようだ。

赤は生肉から滴る血の色だ。

シャカシャカうるせえチンピラのイヤホンも、「ああ、きっとお金がなくて安いイヤホンしか買えないんだなあ」と哀れみの気持ちで見れる。早く500円くらいでカナル型のが買えるといいね。俺はそれより高いワイルドステーキを食べるけど。

 

LINEでいきなり「いきなりステーキ行かない?」と誘ったにも関わらず近所に住む大学時代の友達も「いきなりステーキ行くぜ!」とのことで、一緒に行った。奇しくも友人はいきなりステーキ連続3日目であった。

 

付け合わせの野菜は無料で変えられるのだがコーンをじゃがいもにするのをその日は忘れた。まあいいだろう。俺は笑顔だった。

 

俺はワイルドステーキ300gが来た瞬間にステーキソースをいきなりぶっかけた。俺は文明人ではないので肉はレアが好きだ。いきなりステーキでは出てきた瞬間にいきなりソースをぶっかけることで鉄板の温度を下げ、レアのままで喰うという野蛮なメソッドが存在するのだ。めちゃくちゃソースが跳ねて俺は体中を火傷した。紙エプロンで覆えばよかった。これではどっちが腕でどっちがステーキかわからない。それでも俺は笑顔だった。

そこに肉があるから。

そして俺は野蛮人であると同時に現代人なので腹が弱い。だから牛肉でしかレアは食えない。この機会を逃してはならない。

俺は食った。

ここぞとばかりコーラも飲んだ。

 

こんだけいきなりステーキへの愛を語っておいて俺は肉マイレージカードを持っていなかった。なぜならいきなりステーキを愛しすぎるが故にいきなりステーキに行き過ぎてお金と健康な体を失いたくなかったからだ。俺は自制心がない。

 

俺はステーキにジャブジャブとソースをかけるし、おろしニンニクもクソほど入れるから、絶対に体に良くないのだ。あと正直、スーパーで買って家で肉焼いたほうが安いし…。

だがこの日の俺は違った。もういいや、と思ってしまった。一線を越えた。

俺は肉マイレージカードを作った。

 

きっとコイツは、すぐにゴールドカードになるだろう。

俺は苦しみの数だけいきなりステーキに行くから。

涙の数だけ強くなれるのは、泣きながらいきなりステーキに行くからかもしれない。

 

かつて、いきなりステーキに対して不信感があった。

あれは金持ちが行くところだと思っていた。

だってただでさえ一回2千円以上は絶対使うことになるのに、奴らは高い肉を400gとかガンガン分厚く切って焼いているんだぜ。

二郎にはホームレスみたいなデブがたくさんいるけど、いきなりステーキには与沢翼みたいなデブがたくさんいるなあと思っていた。

 

でも彼らも、僕や与沢翼と同じで悲しいんだろうなと思った。

悲しいから肉を食べるんだろうな。

 

スピッツは愛はコンビニでも買えると歌った。

2千円で買えるなら安いものだ。

僕達は肉を噛み締めた。

肉も僕達を平等に抱きしめた。

金持ちも、デブも、にわかも、社畜も。

僕達はみな、肉から生まれた、肉の塊だから。

そして僕達は心で泣いた。

 

みんなで泣きながら食う肉はαγάπη(アガペー)の味がした。

 

 

 


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 年明け最初はこちら。俺達、YOIMACHIファミリーになれたのかな?

 

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企画。迫ってきました。オワリカラ解禁効果で予約増えております。お早めに!

ちなみにぴあで予約すると特別な動画が大量に見れるので是非ぴあで予約してください。

http://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=1751798

 

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 新曲はめちゃくちゃすごいです。

 

購入して2年が経ったけどプロジェクター良いです、という話

 

プロジェクターを買いたい

僕の家にはプロジェクターがある。

2年前、就職して最初の冬のボーナスで買った。

ずっとデカいテレビが欲しかったのだが、デカいテレビは何十万円とかするし、場所も取るので嫌だなあと思っていた。

そこで「プロジェクターっていくらなんだろう?」 と思って調べたら意外と10万円内でも買えることがわかった。(それでも高い買い物だけど…)

 

家のプロジェクターで映画とか見れたら最高じゃん!と思い、電気屋などに観に行った。なんせ高いし周りで持ってる人いないしで慎重になった。

 

T-DRAGON、プロジェクター専門店へ行く

会社帰りにプロジェクター専門店にも寄った。店内にはプロジェクターが1万個くらい置いてあってヤバいなーと思った。するとホテルのコンシェルジュですって感じの執事のお兄さんが話しかけてきた。

「どういったものをお探しですか?」

僕が予算を伝えると「そういう(貧乏人向け)のは置いてない」とオブラートに包んで言われた。

「(オブラートに包んで)クソして寝ろ」と言われたので「いつかまた来ます(もう来ません)」と言った。

お兄さんは色々アドバイスとかしてくれたので実際には良い人だったけど、こんなべらぼうに高い物をジャブジャブ買える人間が世の中にはいるんだなあ、とびっくりした。そしてきっとそんなに設けてる奴らって全員悪い奴らなんだろうなあと思ったりした。

社長は全員地獄に堕ちるんだろうなあ。

 

ネットでEPSONのプロジェクターを買った

でもそこからプロジェクターのことしか考えられなくなった。会社にいる間ずっとプロジェクターのことだけ考えていた。休み時間中はずっとスマホでプロジェクターのことを調べていた。そして気付いたら注文していた。(ネットで変な中国サイトから買ってしまい本当に届くのか不安になった。あまり高い買い物は変なショッピングサイトで買わない方が良いと思う。)郵便局に届いた瞬間配達を待たずして受け取りに行った。自転車のカゴにプロジェクターを突っ込んでワクワクしながら帰った。

 

こんなに楽しみな買い物は久しぶりだったと思う。

就職しても社食以外は何の楽しみもなかった人生。家で設置も何もせずに電源だけ繋いで壁にホーム画面が映った時は「うわー!」と言ってしまった。

なんせ自宅に100インチの画面が現れたのだからしょうがない。大学生の頃に手に入れていたら、たぶん人生が終わっていただろう。

俺はそのホーム画面をルーベンスの絵のように数分見つめてからその日はそのまま寝た。

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駅前のヨドバシで展示品で見た時は、あまり明るくないと思ったが、実際に自宅で部屋を真っ暗にして投影してみると液晶画面とほとんど大差なかった。

これは人を呼んで見てもらった時も言われたのでたぶん客観的にもそうだと思う。

映像用のプロジェクターは結構明るいのです。

会議用のとは違いますよ。

 

買ったのはこれ。 

※2018年現在はもっと新しいのが出ていて、なぜかAmazonでは型落ちの↑の方が高いです。買うなら↓か、さらに型落ちのEH-TW5200の方が良いです。

選んだ理由は

・値段(10万円前後に出来れば抑えたかった)

・明るさ(一つ前の古い機種もあったが、明るさが上がったと聞いてこっちにした)

・画質(フルHD。4Kは無くて充分。)

・ブランド(海外の低価格品は故障対応がクソだとコンシェルジュに聞いた)

のバランスで選んだ。

 

追いシアターセット

あとウチにはスピーカーもなかったのでシアターセットというのも買った。

 

ソニー ホームシアターシステム HT-IV300

ソニー ホームシアターシステム HT-IV300

 

※これは失敗だった。音は良かったが、ソフトがダメですぐフリーズしました。あと、スピーカーは有線じゃ遠くに置けないからダメですね。Bluetoothだと遅延もあるから映画には向かないけど、ワイヤレスが良いです。

 

5.1chである。5.1chって皆さん意味知ってますか?5個のスピーカーと1個の低音スピーカーって意味らしいですよ。じゃあ5+1chでよくない?よくわからないですが0.1chという概念があるらしいのでこれが正しいのだ。

これは安物のやつを買った。HDMIケーブルというすごいケーブルがつながればなんでも良いのだ。俺はバンドをやっているけど、音質なんて正直よくわからないので全然こだわらなかった。

しかし、FPS(人を殺すやつ)系のゲームをやると、背後から銃声が聴こえるので怖くて良いです。5.1chおすすめです。

 

あとニトリでソファも買った。PS4も買った。これで完璧だ。

俺は冬のボーナスを完全に使い果たし、Amazonビデオルームを手に入れた。

 

母が一度実家から様子を見に来たことがある。

俺が真っ暗な部屋で大画面に映ったスターウォーズのエイリアンを撃ち殺しているのを見て「アンタ大丈夫?」と心配された。

 

2年経ってどうか

10万円なんて正直失禁するくらい高いと思うけど、俺は後悔してない。

なぜならいつでも映画を大画面で自宅で観れるからだ。ぶっちゃけ新作以外、映画館行かなくてもいいじゃんってくらい満足している。

スターウォーズとか古いやつは全然劇場でやらないからね。

まあでも最近残業しすぎて全然映画見る暇とか無いんだけど…。

でも仕事をしないと家に住めないし、飯も食えないんだから悲しいよ。

ボーナスでソファやらなんやら買っていると、なんだかファイトクラブを思い出してしまった。俺たちは生活の奴隷だ。

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どうせ見る暇がないなら買っても意味がない

そう、当たり前だがそもそも買っても見る暇がない人にはおすすめできない。 

いやまあ例えば「うち、プロジェクターがあるんだ〜」と自慢したいが為に買うのは全然いいと思うんですけど。

会社の人にボーナスで何買ったか聞かれて「プロジェクターを買った」と答えてからは「コイツの家、プロジェクターがあるんだよ!な!」と毎回のように言われるようになった。これは会社の上司が悪いんじゃなくて、他に何の特徴もない人間である俺が悪いんだと思うけど、そういうリスクも有りますので会社では言わないようにしましょう。

俺達は生活の奴隷だ。

 

俺達は生活の奴隷だ

Amazonビデオを毎日見て暮らせればいいのに、あと週末にスタジオ練習とライブが出来ればそれでいい。俺はマイホームも車も別にいらない。

でもプロジェクターを買ってしまった時点で俺は会社に囚われてしまったのかもしれない。毎日法律の範囲内で残業して法律に違反しない安い給料でこき使われて、「次のボーナスまでは頑張ろう」って思って寝る。

勘違いするなよ。ボーナスってのはご褒美じゃなくて、給与を会社が借りてるだけだからな。俺達から借りてた金を後から返してるだけだからな。ちゃんと分割して給与に載せろよ。あと18時になったら電気を一旦消すのを止めろ。どうせ誰も帰ってねえだろ。

 

俺は取り敢えずこないだのボーナスで、いきなりステーキに行きたい。


Pixies - Where Is My Mind (Official Video)

 

 

 

 

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一番近い日程のライブ。22時以降が出番ですのでスターウォーズを観てからでも間に合いますよ。

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年明けの企画ライブ。正直、最高傑作じゃないかってくらいの新曲まみれなのでクソおすすめです。

 

 プロジェクターについて購入者からのアドバイス

Q:スクリーンって要らないの?

A:壁が白ければ無くても平気だよ。でも画質に拘るならツルツルの面の方がきれいに映るよ。もし壁がないって人はニトリの遮光カーテンをスクリーン代わりに使うのが場所も取らなくて良かったよ。

遮光ロールスクリーン チェーン式(ドルフィン) | ニトリ公式通販 家具・インテリア・生活雑貨通販のニトリネット

間違って茶色を買うなよ。

 

Q:プロジェクターの設置って穴空けるの?

A:一番いいのは天井にぶっ刺す方法だけど、空けなくても出来るよ。

 床においてもいいけど、間に物があると遮られるので高いところに置きましょう。

 俺はメタルラックに乗っけてます。高さはちょうど画面の上端位置まで必要。

 高いところに置くなら、プロジェクターは逆さにして設定で画面を上下反転させましょう。

 

Q:テレビと比べてのデメリットは何?

A:

・テレビチューナーついてないからそのままじゃテレビは見れないよ。

・ファンの音がするよ。でも俺はスピーカー付けるから気にしたことない。

・テレビよりは場所を取らないけど設置によってはそうでもない。

・スピーカーも買わないと本体のスピーカーはショボい。

焦点距離というのがあって、壁までの距離で画面のサイズが変わるよ。

部屋のサイズを考えないと、設置の位置が限られてしまうかも。

先に説明書を検索して計算しておこうね。

↓これは僕が買ったやつのスペックです。全部同じ機種ですが、設置場所で画面の大きさが変わるのです。

100型(インチ)にしようと思ったら2.7~3.2m離さないといけないということ。近すぎ、遠すぎもダメです。

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 ちなみに超短焦点と言ってほぼ目の前で映せるやつもある。予算と画質の兼ね合いが取れたらかなり便利だと思います。

 

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 画質荒いのが多いかもしれない。




 

昔、脳波測定されて1万円もらった話

モニター協力(後述)には守秘義務がありますが、そもそもこの物語はフィクションです。実際の団体とかとは関係ありません。また、大したオチもないけどブログを読んでほしいというただ一点のみで書いたのでよろしくお願いします。

 

大学生の時に友人の「楽に稼げるぞ」という怪しげな言葉に誘われてポイントサイトに登録した。

ポイントサイトというのは登録するとメールでアンケートが送られてきて、それに答えるとポイントがもらえる。そしてポイントが貯まると換金出来るというやつだ。ボタンを押したら金が貰えるのだ。

とにかく金が無かった家賃2万円の学生時代、僕はホイホイ登録した。最初の頃は僕も真面目にアンケートに答えていたのだが、一度に貰えるポイントはせいぜい10円分程度。主に主婦とか学生が暇つぶしに小遣い稼ぎするためのしょっぺぇサービスでしかなく、何時間も費やして得た500円分のポイントを換金してすぐに辞めてしまった。僕は金がないうえに忍耐もなかった。

 

だが、同じサイトのモニター募集とかには応募していた。

モニターはネットのアンケートと違い実際に会場などに赴き、飲食物やゲームアプリなどを体験してそのアンケートに答えるものだ。アンケートという体裁である為、給与ではないのだが謝礼として2時間程度で8千円もらえた。治験と似たようなシステムである。交通費を差し引いても最高に割が良かった。ネズミやヤモリと同居していた当時の僕には8千円は大金だった。

 

モニターの内容は全て基本的に楽勝だった。フライドポテトを四種類くらい食べて「さっきの方が美味かった」「こっちの方が香ばしい」とか適当なことをほざくだけで金がもらえた。あとはペットボトルのラベルを見比べてどっちが良いとか。金がなくてコンバースしか買わないのにスニーカーのデザインの批評もやった。マジックミラーのある部屋でナイキよりアディダスが好きだとか適当なことを言ったりして帰りにラーメンを食った。

あまりに楽なのでバイトするのが馬鹿らしくなり、メール通知が来る度に全て応募し、バイトがある日と被れば嘘をついてでもバイトを休みにして行っていた。大学の研究なんて金が出ないしクソ喰らえだった。

 

そんなある日、謝礼1万円のアンケートに当選した。応募しても10回に1回も当たらない為、どのアンケートだか全く覚えていなかったが、なんせ2時間で1万円なので喜んでOKした。

指定の場所は普段降りない駅徒歩数分の高級住宅街だった。地図のとおりに歩くと金持ちが住んでそうなデザイナーズ一軒家があった。呼び鈴を鳴らすと、なんかネイルの店とかしてそうなお姉さんに地下に案内された。何人かすれ違うので人がいるのはわかるが、全体像が分かりにくい入り組んだ構造の建物だった。

地下にはよくわからない医療器具らしき白っぽいマシーンと、奥に大きなガラスの窓を挟んでコンクリート打ちっぱなしの部屋があった。

これから脳波を測定する、と潔癖そうなお兄さんに言われた。えっ?これから脳波を!?と思ったがよく考えたら募集のメールにも書いてたし電話でも言われた気がした。

 

余談ですがミッキーマウスがヤバいアルバイトで騙されて脳の手術を受けさせられるアニメは面白いです。僕は定期的に観ています。


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持病などの再確認が有り、頭皮の至るところにクリームを塗られた。冷たくてヌルヌルして気持ち悪かった。そしてよく映画とかで超能力者が実験される時みたいな長いケーブルがついた丸いパッチみたいなのをたくさんつけられた。遠くの鏡には頭に何十本もケーブルをつけた俺がいて、遠目に見てもちょっと異様だった。



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昔、ある大学院の見学にいったある友人の友人の他人が、地下で猿の露出した脳に電極を刺して実験しているのを見たが、教授に「口外するな」と言われたそうだが(このお話はフィクションです)、その恐るべき話を思い出した。

 

俺はこれから、ハンターハンターのポックルみたいに脳をいじくり回されるのだろうか?電流を流されたショックで超能力に目覚めてこの施設ごと破壊したらAKIRAとかミュウツーみたいでカッコいいのに…そんなことを考えていたらお兄さんの説明をほとんど聞いていなかった。僕は全く話を聞いていない割に上の空っぽくない相槌を打ってしまう時がある(「確かに、そっちの方がいいかも」とか「そしたらそれにしましょう」とか)のでたまにあとでマジで困る。だが説明しているお兄さんも目が死んでいたので良かった。聞いてない間に「後遺症があるかもしれないです」とか言ってたらどうしよう。

 

そして案の定、さっきのコンクリートの部屋に入るよう言われ、一つ真ん中にポツンと置かれたパイプ椅子に座るよう言われた。頭にケーブルが付いているし、ケーブルの先には点滴のように一緒に動かす器具があるために首はあまり動かせない。

前を見ると壁があり、液晶画面があった。そして、いくつかの映像を見た。その時の記憶はあまり定かではないが、それはやばいガスを吸わされたとかではなくて退屈だったからだ。本当に無意味な記号的な映像だった。右下に赤い点が出たり、左上にそれが現れたり、それを目で追う。それだけだ。なんか図形とかも出てきた。目の動きと脳の認識とかを調べてたのだと思うけど。

 

しかし非常に長い時間だった。飽きが限界に来る辺りで「終了です」と言われ、クリームをできる範囲で拭き取られた。本当にそれだけで終わった。その後は金の入った封筒をもらって頭がベトベトのまま帰った。あまりに淡々としていたのでこれ何の研究ですかとは聞きそびれたし、たぶん教えられませんみたいな書類にもサインしたような気もする。

 

その日以降もモニターは続けたがあれ以上に目的が不明なモニターはなかった。たぶん医療的な測定か、もしかしたらVRとかに関係あるのかもしれない。もしかしたら超能力の適格者を探しているのかもしれないが、俺は残念ながらその後も超能力には目覚めなかった。やっぱPSVRの開発には俺の協力が関わっているのだろうか。

最近は仕事帰りにそんなん行く気力なんかないので応募もしてないけど、「毎日これだけやって暮らしていけたらいいのになあ」と思う。もっと1時間とかで出来るプチ治験とかがあればいい。だがそれで体にぶつぶつとかできるのは嫌だ。無痛で骨折とかもあるらしいけどそれも怖い。

 

不労所得への道は長く険しいのだった。

 


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ブレードランナーを観てディズニーランドのダッフィーもレプリカントじゃんと思った話

※このブログには映画『ブレードランナー2049』に関する記述があります。核心に触れるようなネタバレには全然なってないですが、まっさらな心持ちで観たい人は先に読まないようにしましょう。ていうか早く観よう。

 

ブレードランナー2049を観てきた。面白かった。あまりにかっこ良かったので主人公の履いていた靴が欲しいのだがメチャクチャ軍用だ。これ会社で履いてたら俺はただでさえオシャレがクソなので絶対おかしくなる。


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公開日の次の日に高校時代の友人2人(リビ沢くんとマゾ山くん)が、ちょうど東京におり、折角だしと誘って新宿TOHO観に行った。彼らは特にオタクではないしむしろ運動部の部長なんだけど、根性が根暗なのでオタクみてえなツラをしていて、高校時代は特にというか唯一仲が良かった。新宿TOHOのスクリーンもすごくでかくてすごく、とても良さがあって良かった。

 

僕達は一応前作のブレードランナーは観ていたが、それだけだった。凄いSF映画なんだとは知ってたし原作も読んだが基本的にはそこまで思い入れはないので普通に文句なく楽しんだ。(最後のあれどうなったん?的な疑問はあった)

しかし、ブレードランナーの如く雨の降りしきる新宿の居酒屋に行き、もつ煮を喰いながら感想を話そうとしたがあまりに予備知識が無かった為、30分で話題が尽きた。映像的に印象の強いシーンが多すぎて、おビールを飲んだ俺はもう犬が床の酒を舐めるシーン以外頭に出てこなかった。ドッグがフロアーをリックしてたね、としか言えなかった。

俺は悲しかった。俺たちは久しぶりに会い、盃を交わすことができる喜びをお互いに感じているのに、中途半端に近況を知っているし、お互いにあんまり興味もない為に話すことがないのだ。またそれは脳の老化のせいでもあるのかもしれなかった。あんな迫力のある映画を観たあとに話すことが「めちゃくちゃリアルなVRは浮気に入るか」ぐらいなのは本当に情けなかった。

 

俺は勢い余って「何か最近楽しいことある?」と聞いてしまった。「映画とか以外に先の楽しみってある?」

マゾ山が「俺にそれを聞くのか」と怒った。

 

マゾ山くんは東京に一時的に研修に来ており、遊ぶ友達がいない為毎日ジョギングをしていると語った。マゾ山くんはバイクに金をつぎ込みすぎて貯金も全く無かった。酒も飲めないのでソフトドリンクを舐めていた。

 

 俺は自己嫌悪に陥った。俺はマゾ山くんがたぶん楽しくないんだろな、と思って上の質問をしたのだ。できれば自分が安心できるような反応が欲しいと思ったのだ。彼と違ってずっと関東に住んでいる俺は、会社の同期以外にもバンドや大学の知り合いが少しだけいる。それはしょぼいけど差だった。

俺はマゾ山より優位に立てると思ったのだろうか?

 

突然だが、僕はダッフィーもレプリカントだと思う。

レプリカントブレードランナーに出てくる有機的なアンドロイドのことで、ダッフィーはディズニーランドのテディベア人形だ。

ダッフィーはミニーマウスによって造られた。ミッキーマウスが船で旅に出る時、彼が独りで寂しくないようにと願って。その想いが、ダッフィーに心を与えた。だからミッキーマウスという主人を喜ばせる、その目的の為だけにダッフィーは存在する。ダッフィーにフォカヌポウ?検査(レプリカントを見分けるために網膜を見て共感力を試す)をやったらたぶん「ネズミを燃やす」とか言っても動揺しないだろう。

 

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ダッフィーは話せるし、歩ける。日本の子供向けアニメ的な幼稚さを持ったその喋り方は、個人的には気に入らなかったが、今思えばその妙な元気ぶりも作られたものだと考えると憐れに思えた。

僕がダッフィーの境遇に悲劇性を感じたきっかけはむしろ彼に仲間が現れたことだった。

ダッフィーにはシェリーメイという「恋人」が作られた。なぜか。ただのグッズ展開か。

 
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 ダッフィーには他のディズニーキャラのように心がある。自我を与えられたダッフィーは恐らく、ミッキーのための人形でいることに耐えられなかったのではないだろうか。主人公でない人生に嫌気が差して、ミニーに泣きながら懇願したのではないだろうか。「俺にも対等に愛することの出来る何かをくれ、でなければ今すぐ殺してくれ」

見下され軽んじられ、レプリカントは自分の世界を探そうとする。それは人間と何も変わらなかった。

 

マゾ山くんはおどけて「早く死にてえ」とキレる真似をした。

俺たちは爆笑した。レプリカントのように、マゾ山は成績優秀な奴だった。

 

まだ孤独な小学生だった時、教室の後ろの本棚の前で本を読んでいると「昼休みは外で遊べ」と言われるのでいつも本を持って歩き回っていた。運動場の端っこで地面に落ちてもがいているミツバチがいて、助けてあげようと思って手のひらですくい、近くの植え込みまで優しく運んでいった。手を開くと手のひらには針が刺さっていて、ハチはフラフラ飛んで地面に落ちた。

俺は読書好きだったので、ミツバチが生涯で1度しか針を刺せないこと、その針は内臓ごと対象物に残るため刺したミツバチは死ぬことを俺は知っていた。俺の優しさはハチにとって無意味なお節介だった。クラスに馴染めない底辺の俺は小さなミツバチを自分よりも弱いと思っていた。ハチはただ怯えて本能に従い刺したのかもしれないし、お前の気紛れなんかに救われてたまるかと思ったのかもしれない。

 

俺たちは魚の頭の煮付けを頼んだ。するとボウリング玉くらいの得体の知れない頭が出てきた。そのグロテスクさはまさにブレードランナーの孤独そのものだった。新宿にこんな店があるとは新宿も捨てたものではないと思った。それをみんなで分解して食いながら僕は実家の親に「同窓会のハガキ、参加に丸つけといて」とLINEした。

 


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大学時代の友人から「ニンニクの食べ過ぎで救急車に運ばれた」と報告があった話

別に俺がその場に居合わせた話ではないのでタイトルの話はそんなに詳しく書けない。彼の承諾も得てないし個人情報的なこともあるので詳しく聞いてもいない。

でも他人事とは思えないので書く…。

 

(ニンニクで倒れる話はだいぶあとになるので僕の自分語りに興味がない人は目次から「本題」に飛んでください。)

 

 


ピープルインザストレス

仕事のストレスというやつがあって、これがなければもう人生のほぼ全ての問題が解決するんだけど、残念ながらある。ちなみに残りのストレスは就職活動と死だが人生全体で見ると労働している時間に比べれば誤差くらいの時間なのでカウントしなくて良い。

 

それを解消する為に多くのモノとかサービスが有って、お金がある人はそれ相応にディズニーランドとか漫画喫茶とか俺のフレンチとかを消費するし、お金がない人はそれ相応にAmazonビデオとか無料漫画アプリとかラーメン二郎とかを消費する。最悪の場合は家で寝たり水道水を飲んだりする。

 

俺達の世界はストレスで廻っている。というかストレスに廻されている。

 

サラリーマン俺達


そうやってサラリーマン俺達はなんていうか、「常に残り20%だからすぐ充電しろって通知が出てる状態のスマホを低速のUSB充電に繋げて使い続ける」みたいなやり方で精神を消耗し切らないようにしながら寿命まで生きていく。そんな気がする。だが時々充電を忘れて電源が切れてしまったりするスマホもいる。俺達はたまごっちのようだ。

産まれてすぐの僕のストレス解消は機関車トーマスの玩具の車輪を前後に回すことだった。(昔サークルの友達と、「人間は幼少期に車輪に興奮したか否かで理系か文系どちらに進むかが決まるのではないか」という話をした。)それだけ単純なことで快楽を得ることができたのだった。

だが少し成長すると自分のストレス解消はもっと、映画を見るとか本を読むとかドラムを叩くとか、人聞きが良いものに変わった。人間は本来、年を取るにつれて複雑なものに関心をもつようになるのだ。

そして、最近の僕のストレス解消方法は
・無料漫画アプリ
・激辛
・ニンニク
この3つが定番になってきている。お気付きの通り、また幼稚な手法に退行してしまっている。少年ジャンプとカラムーチョだけが日々の生きがいだった小学1年生時代に逆戻りだ。
恐らく、与えられるストレスの質がより厳しく邪悪なものになると、その解消方法も乱雑なものになるのかもしれない。もう何も考えたくないし、ていうかなんなら幼稚園の頃に戻りたい。

ストレスの解消は定期的に、飽きない程度に用法用量を守って使わなくてはいけない。
だから僕は無料漫画アプリは絶対課金しないし、続きが気になってもTSUTAYAでレンタルしたりしない。
毎日無料のポイントだけと、あとはアプリゲームのCM動画を見てもらえるポイント以外は我慢している。
単純に俺がせこいというのが1番あるが、連載漫画というのは一気に読むとあまり面白く感じられないのだ。
薬を一度に飲みすぎて耐性がついてしまっては元も子もないという話です。

 

将太の寿司

将太の寿司はかなり面白くて、正直課金しようか迷った。
将太の寿司は典型的なサクセスストーリーだ。
性格が異常に良すぎる寿司握りの天才の将太がタイトル通りに寿司を握る漫画である。
寿司にまつわる包丁とか海苔とか酢飯とか全てのオブジェクトに、各話で現れる登場人物達の感動的だったり悲劇的な人間ドラマが有り、それらが全て将太の思いやりと寿司テクニックで解決されるという話である。(普通に寿司関連で家族が死んだやつとか出てくる)
俺が将太だったらいちいち寿司を握る度に色んな人々を思い出してトラウマになりそうだが、将太はメンタルがクソ強いし天才なのでそこは余裕で自分の肥やしにしてサクセスを重ねていく。
また、職場に本当に最悪な先輩がいたりして、マジで最悪に性格が悪いのだが、なんか嫌いになれなかったりしてその辺の描写がすごく上手くて良い。(褒めるボキャブラリーが足りない)
毎日通勤電車に乗りながら読んでいると、新人の将太が周囲のおっさん達に口々に「並大抵の努力じゃこんな仕事はできねえ…!」「その努力、見事としか言いようがないだろう」「い…一体どれだけの努力をしてきたというのだ!」(褒められるシーンの勝手なイメージ)と努力を絶賛されまくるそのサクセスっぷりになんだか俺までサクセスしている気がして大変サクセスしてくるのである。
そんな良さがある漫画なのだが、将太が天才で性格が良過ぎて段々ムカついてきたので課金せずに済んだ。俺だったらトイレに逃げるのになんでコイツはいつも徹夜で頑張るんだと反感を覚えてしまったのである。
残念ながら俺は将太ではないのだ。

 

辛きもの

辛(から)いものは何でかわからないけど急に食べたくなる。
中本はこないだ久しぶりに食べたけど残念ながらあんまり好きではない。唐辛子以外の、麻婆豆腐とかカレーとかの辛いやつが好きだ。麻婆豆腐は花椒が大事だということがわかっている。カレーはよくわからない。たぶんなんかいろいろスパイスとかがあるんだろうけど、よくわからないので家では仕方なく唐辛子をかける。教えて欲しい。ガラムマサラは結局カレー粉の一種らしいし、もう色々買ってみようかなと思っている。昔より辛いものが食べられるようになっているので、会社のストレスで脳がおかしくなっているのかもしれない。カレーについては研究が進んだらまたブログにすると思う。

 

(本題はここから)ニンニク、そして別れ

そうだった。ニンニクの話だった。
大学の友達と久しぶりに会った。彼はとても良いやつだし人当たりがよくモテるのだが、ひどく言葉遣いが汚いのと、女の人がビンタされるビデオを観るのが好きなところがちょっと問題なやつだ。

俺がブログにブラック企業で就活したことを書いた、と話したら「あそこネットで叩かれすぎて社名変えたくらいドブラックな会社だよ」と笑いながら教えてくれた。

なんだかんだ気の良いやつだ。


そして、ビンタ君もまた会社でストレスを感じている一人である。
ビンタ君はストレスを2chと合コンとす●丼で解消しているようだった。
ビンタ君は会ってすぐに「俺もう、ニンニク食わねえわ」と言った。煮干しラーメン屋で言わないで欲しい。たいがいのラーメンスープにはニンニクが入っているので。だがそれよりも理由が気になった。

ビンタ君は詳細を話してくれた。

 

その日もビンタ君は会社のストレスを抱えていた。もちろん毎日抱えていると思うのだがその日のストレスは凄かった。どれくらい凄かったかというと伝説のす●丼にフラフラ入ったと思うと大きめの瓶に入っているニンニクをほとんど入れてしまったのだという。そして完食してしまったのだ。その日は大丈夫だったが次の日起きてから背中が痛くなったらしい。あとは気付いたらもうなんか心臓がドキドキしてきて気持ち悪くなってぶっ倒れたとのことです。目が覚めたら病院にいたのだという。病院を出てまずここがどこかわからなかったそうだ。怖っ

 

ビンタ君とは昔、ラーメン二郎に一緒に行った仲だった。大学の別の友人でラーメン二郎に週2以上通っていたロッティストのカネシ君(ラーメン二郎には特殊な醤油が使われており、カネシ醤油という。だから俺達は尊敬と軽蔑を込めてカネシ君とかカネ氏とたまに呼んでいた)と一緒に列に並んだことを思い出し涙が出そうになった。
もうビンタ君とはラーメン二郎には行けないんだな…と思ったからだ。
もう俺達は若くない。ストレスがあるとは言え、もう無理は出来ないのだ。

ていうか、そもそもビンタ君は胃痙攣になって一ヶ月くらい豆腐だけ食っていた時期もあった。元々内蔵は弱いし、ガリガリなのである。そもそも無理はしたらいけないのである。


カネシ君はカネシ君でもちろん大学時代から健康に異常をきたしていた。医者に「絶対おかしな食事をしているだろう」と言われても、二郎に行くなと言われたくないがために二郎に行っていることを隠したそうである。アル中のジジイみたいなやつだ。絶対に死んだら良いフォアグラが取れると思う。

 

「もう限界が来たんだ。
俺達は、もうあの頃に戻れない。」
俺はその日、ビンタ君と飲んで別れた帰り道にそう思った。
次の日も会社だったので21時には電車に乗っていた。
もう無理はできないんだ。
電車の窓の外に大盛りの二郎が映っている気がした。
三角コーナーの中身みてえな生ゴミ
ギトギトの脂肪の塊。
それが俺達の大切な思い出だった…。
俺は心の中で「さよなら」と呟いた。

 脂がひとすじ、滴り落ちた。

 

 

 

そして数日後、ビンタ君からLINEで「今度カネシと3人で二郎行こうぜ!」と誘いが来た。
俺は「マ?行くわ!」と返事したので明日スタジオ練習のあと関内二郎食ってきます。
そんで月曜はライブだぜ!シクヨロ!

 

 

 

 

9/18 新宿モーション

open17:30

TOKYO-HOT

w/サーティーン

逃亡くそタわけ

シャイガンティ

フード🍚しばたさおり  

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新宿のエピタフカレーはこないだ行ってみたけどめちゃくちゃ美味いし辛かったから絶対チキンと魚のあいがけはまた食べようと思ってるぜ!